ナンブイヌナズナ(南部犬薺)

Draba japonica


ナンブイヌナズナ1

  • 科名・属名
  • : アブラナ科 イヌナズナ属

  • 特徴

  •  草丈5〜10cmの多年草。
     茎は下部から枝を分ける。
     葉は線状倒披針形〜広披針形で、長さ5〜15mm。両面と縁に単純毛、2分枝毛、星状毛が散生する。縁は全縁または中央に1〜2対の突起状の鋸歯がある。
     花は黄色で、花弁は広倒卵形で先は凹み、長さ5mm程度。

  • 分布・生育地

  •  北海道(夕張岳、戸蔦別岳)、本州(早池峰山)
     高山帯の蛇紋岩地

  • 花期
  • : 6〜8月

  • 撮影月日・場所

  •  1978年7月3日 岩手県早池峰山
     下 1982年7月4日 北海道夕張岳

  • 撮影記

  •  和名のナンブ(南部)というように本州では、岩手県の早池峰山の蛇紋岩地で出会える。
     とはいっても蛇紋岩やかんらん岩地固有の花で、他では北海道の夕張岳や日高山脈の一部の山にしか見られない珍しい花だ。
     2005年6月末、二十数年ぶりに早池峰山に出かけた。以前に比べ林道が舗装されていたこと、登山者の多いこと、立ち入り禁止のロープが一杯張られていることなど大きく様変わりしていた。
     しかし、一番の変化は、この年は花の時期が例年より1週間くらい遅れていたにもかかわらず、ヒメコザクラが完全に終わっているなど、昔より1〜2週間近く花期が早まっていることだった。地球温暖化の影響を痛感し、恐ろしくなった。

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ナンブイヌナズナ2