|
- 科名・属名 : アマ科 アマ属
- 特徴 :
草丈40〜60cmの1年草。
全体無毛で茎は上部で枝分かれする。
葉は互生し、狭長楕円形、長さ1〜3cm、幅2〜4mm。先は尖り、基部は次第に細まり、3脈がある。葉柄はない。
花は葉腋または枝先に集散花序につき、花弁は5個、広倒卵形、淡紅紫色〜淡紫色で直径約1cm。萼片は楕円形で急尖頭、縁にに黒色の腺点があり、長さ3.5〜4mm、幅約2mm。
果実(刮ハ)は球形、径3〜4mm。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:東アジア) 日当たりのいい草地
- 花期 : 8〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2004年9月23日 愛知県 中上・全体2 2017年9月26日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花1、左下・萼、右下・葉 同 上 中下・花2 2004年9月23日 同 上
- 撮影記 :
昔は東京近郊にもあったらしく、平凡社の「日本の野生植物(旧版)」では千葉県柏市の撮影である。そこは「今は住宅地になっていて面影もない」とのこと。草原性の花はどこでも開発による減少が著しい。
過去の情報をもとに何ヶ所か探しに出かけたが、見つけることができずあきらめかけていたところ、愛知県にあるという有力な情報が入った。そこは以前探しに出かけた場所だったが、花期が違っていたようだ。
9月末、夜行バスと一番電車を乗り継ぎ、この花を追い求めている花仲間と目的地にたどり着いたのは、まだ日も昇りきらない早朝だった。
朝露に濡れた草原に今まさに開き始めといったこの花があった。長い間の憧れていた花、日差しとともに開花していくのを待ちきれず撮影した。天気のいい日は昼頃には花弁が落ちてしまうとのことで、たっぷり時間があるにもかかわらず気ばかりあせって撮影した。
近くにはヤマジソも咲いていて、抜けるような秋の青空の下(撮影には不適だったが)眼下に黄金色の稲田を眺めながらの満足の1日となった。
十数年後、久し振りにこの時期に現地を訪れてみた。
この日は平日にもかかわらずカメラを持った数人の撮影者に出会った。
こんな場所にと思ったら、地元の方から「前年大盗掘があったことや、数日前テレビのニュースで放映された」と聞かされた。
以前見られた場所にはなかったが、嬉しいことに少し離れた場所にわずかながら生き残っていてホッとした。
野の花が知られることは悪いことではないが、不心得者もいるので本当はそっとしてもらいたいものだ。
同じ科の仲間の花
|