エゾノコリンゴ(蝦夷の小林檎)

Malus baccata var. mandshurica


エゾノコリンゴ

  • 科名・属名 : バラ科 リンゴ属

  • 特徴 :
     高さ5〜10mの落葉小高木。
     樹皮は灰褐色で成木では縦に裂け、若枝では赤褐色。
     葉は互生、葉身は楕円形〜長楕円形、長さ4〜12cm、幅2.5〜5cm。先は鋭尖頭〜鋭頭、基部は鈍形〜くさび形、縁には不揃いな鋭鋸歯縁。初め両面に毛があるが、後無毛で裏面脈上や縁に毛が残る。葉柄は花時には、長さ1〜3cm、軟毛があり、花後3〜5cmで無毛となる。
     花は短枝の先に散形花序を出して4〜6個つき、白色で径3〜4cm。花柄は長さ3〜4cm。花弁は5個、長さ1.5〜2.5cm、縁と内面に白い軟毛が散生する。雄しべは約20個、長さ8〜10mm。花柱は(3‐)4〜5本、中部に白い軟毛が密生する。萼片は狭長卵形で長鋭尖頭、長さ6〜7mm。
     果実(梨状果)は倒卵状球形で頂部に萼片の脱落した跡が円く残り、径8〜10mm、9〜10月に濃紅色に熟す。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方以北) (国外:朝鮮、中国(北、東部)、ウスリー、サハリン)
     山地の林縁、湿地

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2012年6月4日  長野県小県郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・花序 2012年6月3日  山梨県八ヶ岳山麓
     下・花 2012年6月4日  長野県小県郡

  • 撮影記 :
     これまでフィルムでしか撮影してこなかったが、遠い距離に強いというデジタルカメラをこの年初めて購入し、練習を兼ねてやや高い距離に咲く花を撮影した。
     やや遠目の距離に咲いていた花だが、同じリンゴ属のズミとよく似ていて、この写真もどちらとも判断できずに撮影した。
     違いはズミの成葉には3〜5中裂するものが混じるのに対し、本種では分裂する葉がないことで、写真をよくチェックして同定したが・・・。
     上高地にはズミとこの花が両方とも生育し、同じ頃花をつけるようなので、機会があればしっかり確認したい。

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花序

花