ナガボノシロワレモコウ(長穂の白吾木香)

Sanguisorba tenuifolia var. alba



  • 科名・属名 : バラ科 ワレモコウ属
     注.APG分類では、ナガボノアカワレモコウも同一種で区別できないとしている。

  • 特徴 :
     草丈80〜130cmの多年草。
     根出葉は奇数羽状複葉で11〜15個の小葉からなり、小葉は長楕円状線形〜広披針形で、長さ(3-)7〜8cm、幅(0.5-)1〜2cm。先は鈍頭〜鋭頭、基部は切形、縁には鋭い鋸歯がある。両面無毛で、裏面は淡緑色、時に基部に付属の葉がある。
     花は枝の先に垂れさがるか直立し、花序は長円柱形、長さ(2-)6〜10cm、径(5-)8〜10mm。花は白色、萼は楕円形〜長楕円形、白色で長さ2.3〜3.2mm、雄しべは4個、長さ3〜6mm、宿存する。
     果実(痩果)は革質で花床筒に包まれる。
     葉裏に毛の多いものがあり、
     ●ケナガボノシロワレモコウ(f. pilosa)(左下の写真)という。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(関東地方以北) (国外:朝鮮、中国、ロシア〜東ヨーロッパ)
     湿地、湿った草地

  • 花期 :   8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2013年8月23日  北海道白糠郡
     中・花序、右下・葉    同  上
     左下・ケナガボ 2018年9月28日  群馬県館林市
     (上、左下は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     以前栃木県渡良瀬遊水地で撮影したこの花をアップしていたが、不満足な写真で早く差替えしたいと思っていた。
     8月下旬、久し振りに出かけた北海道東部の海岸、少し内陸に入り込んだ場所でこの花に出会った。
     海霧が立ちこめ、全景を撮影しようとすると何だかハッキリしない。霧の晴れるのを待って撮影した。
     海岸近くで国道も走っているすぐ側にもかかわらず、ここには色々な花が見られ、北海道の良さを再確認した。

     群馬県の湿地、カヤツリグサの仲間を探しながら歩いていると、「ケナガボノシロワレモコウ」看板があり、当時東大教授であった原博士が「普通無毛であるナガボノシロワレモコウの葉裏に短毛が多いものを品種とし、この地のものを標本として名付けられた」と書かれていて早速撮影した。

  • 葉

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花序

ケナガボノシロワレモコウ