シロバナトウウチソウ(白花唐打草)

Sanguisorba albiflora


シロバナトウウチソウ1

  • 科名・属名 : バラ科 ワレモコウ属

  • 特徴 :
     草丈30〜80cmの多年草。
     根出葉は奇数羽状複葉で7〜15小葉からなり、短柄がある。小葉の葉身は広卵形〜楕円形で、長さ2.5〜5cm、幅1.5〜4cm。先は円頭、基部は心形、縁には鋸歯がある。両面無毛で裏面は薄緑色。小葉柄は0.5〜2cm。茎葉は小さく、葉柄は短い。托葉は草質、基部は合着する。
     花は茎の先に直立または稀にわずかに垂れ下がり、長さ3〜6cm、径9〜12mmの円柱形の穂状花序になり、白色から紅色を帯びるものもある。普通花穂の先の方から咲き出すが、稀に基部や中部から開花するものもある。苞は剣形で縁に毛がある。花床筒は卵形で4稜があり、無毛。萼は4個、萼片は卵形、長さ2.3〜3.2mm。雄しべは4個長さ6〜10mm、宿存する。花糸の上部は扁平で白色、葯は帯黄白色〜帯赤紫色。花柱は頂生し、長さ約2mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(東北地方) (国外:日本固有)
     高山帯の草地

  • 花期 :   8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1977年7月27日  山形県月山
     中上・全体2 1997年8月3日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 1977年7月27日    同  上
     左下・花 2014年8月19日  岩手県早池峰山
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     よく似たタカネトウウチソウが花穂の基部(下)から咲きはじめるのに対し、この花は花穂の先(上)から咲き始めることが異なる。写真でも一部の花でそのことがわかる。
     分布も東北地方に限られ、本州中部と北海道に分布するタカネトウウチソウに両側を挟み込まれているのも面白い。
     月山で最初に出会った時はただ白い花のイメージだったが、2度目に会った花は、真ん中の写真のように花穂が紅色を帯びる美しい株があり、地味な印象を変えてくれた。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
シロバナトウウチソウ2

花序

花