チョウノスケソウ(長之助草)

Dryas octopetala var. asiatica



  • 科名・属名 : バラ科 チョウノスケソウ属

  • 特徴 :
     高さ5〜10cmの常緑小低木。
     枝は匍匐して多数分枝し、古い葉柄と托葉が残る。
     葉は単葉で枝先にまとまってつき、葉身は楕円形〜卵状楕円形、長さ10〜25mm、幅6〜16mm。先は鈍頭、基部は切形〜浅心形、縁はわずかに巻き、11〜22個の鈍鋸歯がある。質はやや厚くて革質、葉脈部分は窪み、表面は無毛か疎らに毛があり、裏面は白い毛が密生する。葉柄は長さ5〜24mm、細くて白い軟毛が生える。托葉は下半部はが葉柄に合着し、裂片は線状披針形〜卵形。
     花は枝の先に1個つき、径18〜24mmと大きい。花弁は8〜9個、白色〜帯黄白色、狭楕円形〜広倒披針形、長さ9〜14mm、幅4〜8mm。萼は8〜9個、広披針形〜披針形、長さ5〜8mm、幅2〜3mm、外面に白毛が生え、内面上部にも疎らに白毛が生える。雄しべは多数、花糸は線状、長さ3.5〜4mm、葯は球形、心皮は多数、花柱は頂生し、長さ4〜5m。
     果実(痩果)は歪んだ披針形、長さ2.5〜3mm、斜上した白毛が生える。花柱は花後に長く伸び、長さ1〜2.8mm、羽毛状の白毛が密生する。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州(中部) (国外:朝鮮(北部)、千島列島、サハリン、ウスリー(?)
     高山帯の砂礫地

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2011年7月25日  山梨県北岳
     中上・全体2 1980年7月28日  北海道大雪山
     中下・全体3 1981年7月5日  山梨県北岳
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花 1980年7月28日  北海道大雪山
     右下・葉 1979年8月16日  山梨県北岳

  • 撮影記 :
     和名は、発見者でもあり日本の高山植物調査の草分け的存在である須川長之助氏の名をとっているこの花、中部地方以北〜北海道の高山に点々と分布している。
     花はチングルマによく似ているが、葉は小判状で小さくて可愛いい花である。
     ただ、チングルマのように一面に生えるということはなく、岩場に張り付くように2、3個の花ということが多く、それが普通と思っていた。
     ある時、高山植物の花期としては少し早い7月初め、北岳に登ったところ多くの花をつけている株に出会った。
     それまで見てきた姿は、花期には少し遅かったのだと気がついた

  • 葉

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花