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- 科名・属名 : ベンケイソウ科 イワベンケイ属
- 特徴 :
草丈7〜25cmの多年草。
根茎は太く、径約1cmになる。茎は分枝し、先は地上を這い、鱗片葉を密生する。
鱗片葉は卵形〜三角形、長さ4〜8mm。
葉は倒披針形〜線状倒披針形、長さ1.2〜4(〜5)cm、幅4〜10mm。先は三角形で鋭頭〜鈍頭、基部はくさび形、上部に揃った鈍鋸歯があるか稀に全縁。葉柄はない。
花は雌雄異株、花茎は鱗片葉の腋につき、密集した集散状で、枝先から2〜3個ずつ出るため、束生しているように見える。茎の上部に葉と同様の形の苞がある。花弁は4個、淡黄緑色、線形〜狭楕円形、長さは雄花で3〜4mmと雌花より長く、花時に開出または斜上する。雄しべは8〜10個、花弁より長く、花糸は黄色、長さ3.5〜4mm。裂開直前の葯は濃黄色〜橙色。蜜腺は長円形〜狭四角形、長さ0.6〜0.9mm、葯と同色。雌花の花弁は長さ2〜2.7mmあり、雌しべは緑色で長さ8〜12mm、心皮は直立し、基部で合着し、先は急に細まる。花柱は長さ1〜2mm、細長くて時代に細まる。萼は長さ2.5〜4.5mm、萼筒は長さ1〜1.5mm、裂片は長円形〜広線状針形、長さは雄花で1.5〜2.5mm、雌花で2.3〜3mm。
果実(袋果)は長さ10〜14mm。種子は半月形で、長さ2.5〜2.7mm。
- 分布・生育地 :
北海道〜本州(中部以北) (国外:日本固有) 高山(普通火山)の岩礫地
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1978年7月3日 岩手県早池峰山 中・全体2 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花 1982年7月4日 北海道夕張岳 右下・葉 1978年7月3日 同 上
- 撮影記 :
本州中部ではよく似たイワベンケイをよく見かけるが、北海道や東北の高山では本種の方が多い気がする。
名前の通り葉が細いので、岩弁慶などといういかつい名前の割には、ちょっと優しい感じがする。

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