アサノハカエデ(麻の葉楓)

Acer ergutum


アサノハカエデ1


  • 科名・属名 : カエデ科 カエデ属
     注.APG分類では、ムクロジ科(SAPINDACEAE)、属名以下変わらず

  • 特徴 :
     高さ5〜10mの落葉小高木。
     幹は径15〜20cm、樹皮は灰褐色〜灰色で平滑、皮目がある。本年枝は暗紅色で白色の短い屈毛が密生する。
     葉は対生、葉身は長さ4〜8cm、幅5〜10cm、掌状に5(〜7)浅〜中裂し、基部は心形〜切形。裂片は先が尾状鋭尖頭になり、縁には細かい重鋸歯がある。質はやや薄く、表面は皺が多く無毛、裏面には白色の短い伏毛が密生する。葉柄は長さ3〜10cm、成葉では普通無毛。
     花は雌雄異株、花と葉は同時に開き、短い総状花序を出し花をつける。雄花序は前年枝の仮頂芽や側芽から出て、束状で7〜10花が垂れ下がってつき、花柄は長さ約1.5cm。花弁は4個、淡黄緑色〜黄緑色で萼片よりやや小さい。萼片も4個、淡黄緑色〜黄緑色で長さ約3mm。雄しべは4個、長さ約5mm。雌花序は散房状、10個程度の花をつけ、普通基部に1対の葉をつけ、中軸には長毛がある。花弁と萼片は4個、淡黄緑色〜黄緑色で、萼片は長さ2〜3mm、花弁は萼片よりやや短い。花柄は長さ5〜10mm、初め軟毛があるが、花時には落ちる。雄しべはないかまたは1〜2個あって短い。子房は無毛、花柱は外曲する。
     果実(翼果)は8〜10月に熟し、果序は総状でぶら下がり、果柄は長さ1.5〜2cm、分果は長さ2〜2.5cm、果翼は水平に開く。

  • 分布・生育地 :
     本州(福島県以南)〜四国 (国外:日本固有)
     山地の谷間や谷間に続く斜面

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年5月28日  群馬県赤城山
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     新緑の群馬県赤城山に出かけた時、地元の花仲間からいくつかのカエデ類の花を教えてもらった。
     この時期カジカエデなどカエデの仲間が何種類も花をつけていて、花のつき方、葉の様子などその違いを確認しながら撮影した。
     雌雄異株であるが、残念ながら雄株の花しか気がつかなかった。
     葉が麻(アサ)の葉に似ていることから和名がつけられていて、関東地方や中部地方では比較的標高の高い山地に多いようである。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
アサノハカエデ2

雄花序

雄花