オオイタヤメイゲツ(大板屋名月)

Acer shirasawanum


オオイタヤメイゲツ1


  • 科名・属名 : カエデ科 カエデ属
     注.APG分類では、ムクロジ科(SAPINDACEAE)、属名以下変わらず

  • 特徴 :
     高さ10〜15(〜20)mの落葉高木。br>  幹は径30〜40(〜50)cmになり、樹皮は暗灰色〜灰褐色でやや深めに筋が入り、薄くはがれる。
     葉は対生、有花枝に1対、無花柄に1〜2対つき、葉身は長さ4.5〜8cm、幅6〜12cm、掌状に9〜13浅・中裂、基部は心形〜切形。裂片は卵状披針形、先は尖り、縁にやや不揃いの細かい重鋸歯がある。質は厚い洋紙質、花時には両面に白色の軟毛があるが、成葉では裏面の主脈上や葉腋に少し毛が残る程度。葉柄は長さ3〜7cm、葉身と同長か2/3程度で、溝があり無毛。
     花は雌雄同株。花序は有花柄の先に複散房状となり、径6〜8mmの小さな花を10〜20個つけ無毛。花序には雄花と両性花が混生するものと、雄花だけのものがある。花柄は長さ1〜2cm。花弁は5個、淡黄色で無毛萼片より小さい。雄花の雄しべは8個、長さ約5mm、葯は花糸より短く、中心の退化雌しべに長軟毛がある。両性花は少なく、花柱は先が2裂して外に曲がり、子房に軟毛がある。萼は5個、萼片は黄白色で紅色を帯び、ほとんど紅色になることもあり、長楕円形で長さ約3mm、無毛。
     果実(翼果)は長さ2cmの分果からなり、果翼はほぼ水平に開き、7〜9月に熟す。

  • 分布・生育地 :
     本州(福島県以南)、四国 (国外:日本固有)
     山地林内(関東地方では標高1200〜1800m辺りが主な生育地)

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2024年5月19日  長野県軽井沢
     中1・全体2〜中3・花    同  上
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中4・果実 2023年9月14日  山梨県南都留郡
     左下・幹 2023年5月19日  長野県軽井沢
     右上・葉(表)、右下・葉(裏)    同  上
     右下・葉柄 2024年5月15日  山梨県南都留郡

  • 撮影記 :
     カエデ類は高木になるものが多く、その枝先に小さな花をつけるので、この木も山で見かけることは多かったが、なかなか花を撮影することができずにいた。
     この日訪れた長野県の山でも他のカエデ類の花は何種か見たものの本種には出会えず、あきらめていたところやっと山道の最後で比較的低い位置に咲いていた花に出会えた。
     ハウチワカエデによく似ているが、本種の葉柄は葉身と同長か2/3程度と長く溝があるのが判断の基準になる。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    葉柄

    同じ科の仲間の花
オオイタヤメイゲツ2

花序

花

果実(翼果)

樹幹