キケマン(黄華鬘)

Corydalis heterocarpa var. japonica


キケマン

  • 科名・属名 : ケシ科 キケマン属

  • 特徴 :
     草丈50〜70cmの2年草。
     茎は円くて太く、根元から分枝し、中空で赤みを帯びる。無毛で全体に白緑色を帯びる。
     葉は2〜3回3出複葉で、長さ、幅とも10〜25cm。小葉は深裂し、最終裂片は卵状くさび形で欠刻がある。茎や葉を傷つけると悪臭がする。
     花は総状花序に多数つき、黄色で長さ1.5〜2cm、距は短い。苞は披針形。花柄は長さ4〜6mm。
     果実(刮ハ)は狭披針形〜狭長楕円形、ほとんど数珠状にならず、種子は2列またはほぼ2列に並び、長さ2.5〜3.5cm、幅3〜4mm。種子は黒色で径約1.7mm。
     母種のツクシキケマンに似るが、より大型で花の距が短く、果実(刮ハ)が数珠状にならない点が異なる。

  • 分布・生育地 :
     本州(宮城県以西)〜沖縄 (国外:朝鮮?)
     海岸や低地の草地、荒地

  • 花期 :   3〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 1988年4月3日  高知県室戸岬
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中上・花序    同  上
     中下・花 2018年4月18日  鹿児島県鹿児島郡
     左下・果実、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     太くて赤い茎や厚い葉が、いかにも海岸近くの植物という感じだ。
     まだ花の少ない室戸岬の海岸沿いの岩場に、がっしりした姿を見せていた。
     関東近郊でも、海岸近くの岩場などで見かける。
     黄色い花をつけるこの仲間は、種類が多く区別しにくいが、果実(刮ハ)の形で見分けられる。
     花の下にぶら下がっている披針形のものが果実(刮ハ)で、ツクシキケマンのように数珠状にならない。

  • 葉

    茎

    同じ科の仲間の花
花序

花

果実