ダイセツトリカブト(大雪鳥兜)

Aconitum yamazakii


ダイセツトリカブト1

  • 科名・属名 : キンポウゲ科 トリカブト属

  • 特徴 :
     草丈15〜60cmの多年草。
     茎は直立〜斜上し、上部で分枝するかまたは枝分かれしない。
     根出葉は時に花時にも枯れず、葉身は円形〜腎円形、長さ4〜11cm、幅5〜14cm。3中裂〜深裂し、裂片は1〜2回羽状に欠刻し、裂片は線形、花1〜2cm。葉柄は長さ0.5〜3cm。
     花は2〜4個が散房状につくか単生し、青紫色で、長さ3〜4.5cm。花柄は長さ1.5〜3.5cm、開出毛のあり、上半部に腺毛がある。花弁は無毛か疎らに開出毛があり、舷部は長さ7〜9mm、距に向かって細くなり、今日は細くて長く、360度まで内曲する。唇部は長さ3〜6mm、先は2浅裂するか全縁で反り返る。上萼片は半円形〜半円状円錐形、長さ1.7〜2.6cm、幅1.7〜2.4cm、嘴は長い。雄しべは有毛、雌しべは4〜5(〜6)個、斜状毛が密生する。
     果実(袋果)は直立かわずかに斜開する。種子は長さ約2mm。曲がった毛が生えるとの相違点。

  • 分布・生育地 :
      北海道(大雪山系) (国外:日本固有)
     高山草原や林縁、林内

  • 花期 :   8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1992年8月22日  北海道大雪山
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     大雪山黒岳リフトを使えば1時間半くらいで山上平原につき、観光客も登ってくるほどポピュラーな登山道になっている。
     しかし、山小屋泊まりで大雪山の花を撮影するとなると、寝具・食料を担いで登らなければならない。
     そんな登りの途中からこの花が現れてくる。
     大雪山山には他にエゾホソバトリカブトがあり、違いは花柄と上萼片に開出毛と腺毛が生えるのが本種で、屈毛が生えるのがエゾホソバトリカブトである。
     しかし、この時は花柄の毛の状態を十分確認できていなかったので、この写真を本種としたが同定に自信はない。
     また、最近では開出毛に屈毛の混じる両者の雑種が増えていて、純粋種はごく稀になっているようだ。

  • 葉

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ダイセツトリカブト2

花