チシマノキンバイソウ(千島之金杯草)

Trollius riederianus var. riederianus


チシマノキンバイソウ1

  • 科名・属名 : キンポウゲ科 キンバイソウ属
     注.APG分類では、学名(T. riederianus)

  • 特徴 :
     草丈20〜100cmの多年草。
     根出葉は円心形、径4〜21cm、3深裂し、裂片はさらに側裂片が1〜2回羽状深裂するので5出掌状複葉に見える。裂片は披針形〜狭披針形、縁は切れ込み状鋸歯となる。
     花は単生または集散状に2〜3個つき、橙黄色でパラボナアンテナ形、径3〜6cm。花弁状の萼片は5〜14個あり、平開する。花弁はさじ形〜広線形〜狭倒卵形で先は鈍形〜切形、長さ(4〜)6〜13mm、萼片よりやや濃色、舷部は基部で肥厚する。蜜腺はポケット状、背面で膨らむ。雄しべは7〜40個、花柱は直立し、太く短く、長さ0.9〜2.5mm。
     果実(袋果)は15個前後あり、直立〜少し傾き、長さ約10mm。花柱は鉤状に曲がり、竜骨は明瞭。

  • 分布・生育地 :
     北海道(大雪山系〜知床山地) (国外:サハリン、千島列島、カムチャッカ半島、アリューシャン列島、ロシア沿海地方
     高山帯の中性草原

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1980年7月28日    同  上
     中・全体2、右下・葉    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花 1992年8月22日    同  上

  • 撮影記 :
     夏の大雪山のお花畑のスケールは本州の山と比較にならない。一面同種の花で埋め尽くされ、原色の絨毯を敷いたようだ。
     本州の高山に咲くシナノキンバイと似ているものの、雄しべの数が多く、花柱の長さが短く直立または鉤状に曲がり、竜骨が発達することが相違点とされる。
     北海道にはシナノキンバイも分布しており、夕張と日高山系がシナノで、大雪山系と知床が本種と覚えておくとわかりやすいい。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
チシマノキンバイソウ2(群落)

花