ササキカズラ(佐々木葛)

Ryssopterys timoriensis


ササキカズラ

  • 科名・属名 : キントラノオ科 ササキカズラ属

  • 特徴 :
     高さ2〜8mの常緑のつる性木本。
     茎は帯紫褐色で径約2.5mm、節間は長さ20cm前後。若枝には初め帯白色の短い圧毛を密生するが、後にやや無毛になる。
     葉は対生、葉身は卵円形で長さ10〜15cm。先は短く尖り、基部は心形、全縁。質は洋紙質、両面に初め粉白色の絹毛があるが、後無毛になる。葉裏面中脈の下部または葉柄の上端に2個の大きな蜜腺がある。葉柄は長さ約3cm。托葉は葉状、倒卵形で長さ4〜15mm、幅10mm、しばしば外側に長さ約3mmの副托葉がある。花序のすぐ下の葉は卵円形〜披針形、長さ0.5〜2cm。
     花は3出(中央のものは無柄、側方の2個は長い柄がある)の散房花序で、普通15花程度つき、径1.5〜2.5cm。花弁は5個で黄色、萼は5個、卵状楕円形で長さ2.5〜3mm。花糸は長さ4〜7mm、葯は長さ約2mm。花柄は長さ5〜7.5cm、小花柄は長さ0.5〜1.3cm。花序の枝に2個の小苞があり、小苞は卵形〜長楕円形で長さ1.5〜2mm。
     果実(翼果)は半倒卵形、長さ約3cm、幅約1.5cm、初め絹毛がある。

  • 分布・生育地 :
     沖縄 (国外:台湾(蘭嶼)、フィリピン、インドネシア、オーストラリア(北東部)、メラネシア)
     マングローブ林、海岸近くの林縁

  • 花期 :  8〜9月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2010年9月13日  沖縄県石垣島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・花    同  上

  • 撮影記 :
     本種をアップしようかしまいか迷ったが、絶滅危惧1A類(CR)の珍しい植物なのでアップした。
     石垣島の海岸近くの林縁で見つけたこの花、何年かかかってやっと花の時期に訪れることができたが、花の咲いているのははるか頭上、フィルムカメラの200mm望遠ではこの程度が限界、こんな写真しか載せられなかったことをお詫びしたい。
     上の写真で目立つ細かい葉や莢果はこの花のものではなく、絡み付いているギンネムのもので、黄色い花と大きな葉が本種である。
     石垣島の自生地はその後藪が茂ったり台風の影響などで絶えてしまった。どこかでまた見つけ、いい写真に差替えたい。

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