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- 科名・属名 : クスノキ科 クロモジ属
注.APG分類では、学名(L. sericea var. sericea)
- 特徴 :
高さ2〜3mの落葉低木。
新枝は黄緑色、皮目はなく、初め絹毛があるが後無毛。
葉は互生、葉身は狭倒卵形、長さ8〜16cm、幅2〜6cm。先は鋭尖頭、基部はくさび形、全縁。表面は秋まで残る短毛が密生し、裏面は若葉の時全面絹毛に覆われるが、成葉では脈上以外は少なくなる。葉脈は裏面に著しく隆起する。葉柄は長さ1〜1.5cm、絹毛が多い。
花は雌雄異株、葉の展開と同時に頂芽の基部に2〜3個の散形花序の先に、数個の花をつける。花被片は6個、黄緑色で長さ約3mm、雌花ではやや小さい。花序の柄や小花柄は長い毛が多く、小花柄は雄花では長さ3〜4mm、雌花ではやや短い。雄花の雄しべと雌花の仮雄しべは外側に6個、内側に3個が並び、花糸の両側に黄色の腺体がつく。
果実(液果)は球形、径6〜8mm、9〜10月に黒色に熟す。小果柄は細くて長く、長さ約2cm、時に湾曲し、咲きに向かって太くなる。
- 分布・生育地 :
本州(中国地方の一部)、四国、九州 (国外:日本固有) 山地(渓谷に多い)
- 花期 : 4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2024年3月31日 大分県由布市 中上・全体2 2015年4月18日 熊本県阿蘇 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・雌花序 同 上 左下・花 2024年3月31日 大分県由布市 右上・葉 2015年4月18日 熊本県阿蘇 右下・葉(裏) 2024年3月31日 大分県由布市
- 撮影記 :
阿蘇外輪山を流れる谷川、川沿いの遊歩道沿いには多くの花が見られ、時期を変え何度か訪れたが、春〜初夏に訪れることが多かった。
4月中旬訪れたこの時も地上の草花を探しながら歩いていたが、木本にも興味を持ち始めていたので頭上を見上げると、それまで目に入ってこなかった多くの木の花が咲いていることに気づいた。
広げた葉の下にクロモジによく似た花が咲いていた。
同じ日、大分県の山間でまだ葉が開ききらない本種に出会い、葉裏に白い絹毛が密生し、葉脈が隆起していることも確認できた。
帰って調べ、葉の毛の様子から本種と判断したが、よく似た仲間がいくつかあるので100%の自信はない。
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