トキワイヌビワ(常磐犬枇杷)


トキワイヌビワ

  • 科名・属名 : クワ科 イチジク属

  • 特徴 :
     高さ2〜4mの常緑低木。
     樹皮は褐色〜灰褐色で(日当たりのいい場所では赤褐色を帯びる)、若枝は無毛。
     葉は互生、葉身は楕円形〜卵状楕円形、長さ5〜12cm、幅3〜6cm。先は細く尖って先端は鈍く、基部は鈍形〜円形、縁は全縁。質はやや厚く、葉脈は裏側に突出し、両面とも無毛。葉柄は長さ1〜2cm。托葉は宿存性、線状披針形で鋭く尖る。
     雌雄異株、葉腋に1〜2個の花嚢をつける。雄と雌の花嚢は同形で、卵状球形、稀に下部が細くなって柄状になり、径7〜8mm、表面は無毛か白毛が疎らにある。花嚢の柄は長さ2〜15mmで無毛。苞は3個、柄の上端につき、広卵形で長さ約1mm。
     花嚢は10月頃紫褐色に熟し、径約1cm。種子は球形、径約1mm。

  • 分布・生育地 :
     小笠原諸島 (国外:日本固有)
     日当たりのいい低木林

  • 花期 :  6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2011年6月28日  東京都小笠原諸島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・花嚢    同  上

  • 撮影記 :
     小笠原諸島には本種によく似て同じように固有種のオオトキワイヌビワがある。
     違いは本種の花嚢がほぼ球形であること、幹が太く上部でよく分枝すること、明るい向陽地に生え、高さも大きいことなどである。
     ただ、どちらもイチジク属の植物なので目立つ花をつけるわけではなく、葉腋に小さな花嚢をつけるだけなので、そのつもりで見ていないとわからない。

  • 同じ科の仲間の花