ミヤママタタビ(深山木天蓼)

Actinidia kolomikta


ミヤママタタビ

  • 科名・属名 : マタタビ科 マタタビ属

  • 特徴 :
     落葉つる性木本。
     枝はよく分枝し、紫黒色で無毛、皮目が多く、髄はひだ状。若枝には淡褐色の軟毛がある。
     葉は互生、葉身は倒卵形〜楕円形、広卵形、長さ7〜12cm、幅4〜8cm。先は急に突出し短鋭尖頭、基部は普通多少心形、縁に細かい不規則な鋸歯がある。枝の上部につく葉は、表面の上半分またはそれ以上が白くなり、花が終わる頃には紫紅色になる。両面の脈上に軟毛、時に疎らに硬い毛がある。葉柄は長さ4〜7cm。
     花は雌雄異株、若枝(本年枝)の下部近くの葉腋につき、白色で下向きに咲き、径1〜1.5cm。雄花は集散花序になって普通3個(時に1〜2個)、雌花は1個が単生する(稀に3個が集散状につく)。花弁は5個(稀に4個)、広楕円形で長さ7〜8mm。萼片は5個(稀に4個)、卵形で鈍頭、両面に繊細な軟毛があり、縁に細く白い軟毛がある。雄しべは多数あり、葯は黄色。花柄は細い。雌花の子房は長楕円形、花柱は多数あり、長さ3〜4mm。
     果実(液果)は長楕円形、長さ約2cm、8〜9月に黄緑色に熟し、多数の種子が入る。果実は甘酸っぱく生食でき、果実酒にも使われる。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方以北) (国外:中国、南千島、サハリン、アムール)
     山地の林内

  • 花期 :  6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2015年6月24日  栃木県日光戦場ヶ原
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・雄花、下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     マタタビによく似ていて区別が難しいが、本種では、葉の基部が多少心形になること、花が若枝の下部に近い葉腋につくことなどが異なっている。
     また、分布域が本州中部地方以北で、西日本では分布しないので、生育地でもいくらか判断できる。
     写真の葉は白色であるが、花の終わるころには紫紅色に変わるので、葉だけでも美しい。
     なお、マタタビは猫が好むことで知られているが、本種ではそのようなことはないようだ。

  • 同じ科の仲間の花
雄花

葉