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- 科名・属名 : マツブサ科 サネカズラ属
- 特徴 :
常緑のつる性木本。
茎は無毛で、古いものはコルク層が発達して太くなり、径2cm程度になる。若枝は赤褐色を帯び、皮をはぐと粘る。
葉は互生、葉身は楕円形、長楕円形、卵形、長さ5〜13cm、幅2.5〜6cm。先は多少尖り、基部はくさび形、縁には疎らに低い鋸歯がある。質は革質で表面はやや光沢があり、裏面は淡色でしばしば赤色を帯び、両面とも無毛。葉柄は長さ約1cm。
花は普通雌雄別株、まれに同株で、葉腋に1個、稀に2〜4個つける。花は鐘形、径約1.5cm、長い花柄があり、ぶら下がって咲く。花被片は黄白色で8〜17個、楕円形〜倒卵形、外側のものは大きく、長さ10〜14mm、内側のものは長さ7〜10mm。雄花の雄しべは球状につき、赤い葯隔が横の広がり、小さな葯が葯隔の両側に着く。雌花の雌しべも球状につき、白い花柱が伸びる。
果実(集合果)は球状、径2〜3cmで秋に赤熟する。種子は腎臓形、長さ5〜6mm。
別名 ビナンカズラ(美男葛)
- 分布・生育地 :
本州(関東地方以西)〜沖縄 (国外:韓国(済州島)、台湾) 山地の林縁
- 花期 : 8〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2014年9月14日 大分県国東市 中上・全体2 2018年9月13日 鹿児島県南さつま市 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・雄花 2019年8月30日 高知県高岡郡 中下・雌花 2018年9月13日 鹿児島県南さつま市 左下・果実 2013年1月3日 愛知県新城市 右上・葉(表)1 2019年8月30日 高知県高岡郡 右中・葉(表)2 2018年9月13日 鹿児島県南さつま市 右下・葉(裏) 2019年8月30日 高知県高岡郡
- 撮影記 :
秋も深まった山野を歩く。キクの類を除き咲いている花は少なく、木の実や紅葉が目立つが、その中でもこの実はその紅さがよく目を引く。
サルトリイバラの果実に似た感じであるが、この花の茎には刺はなく、果柄もより長い。
そのため、和名もこの果実に由来してつけられているが、茎の皮をはぐと粘りのある液が出て、昔はこれを髪を整えるのに使ったことから、男を美しくする=美男の蔓(ビナンカズラ)との別名もつけられている。
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