フユザンショウ(冬山椒)

Zanthoxylum srmatum var. subtrifoliatum


フユザンショウ(果実)

  • 科名・属名 : ミカン科 サンショウ属

  • 特徴 :
     高さ1.5〜3mの常緑低木。
     樹皮は灰黒色で刺やいぼ状がある。若枝は赤褐色で短毛があるが、2年目は灰白色の皮目が目立つ。
     葉は互生、長さ5〜15cmの奇数羽状複葉で3〜7個の小葉からなる。小葉の葉身は披針形〜披針状長楕円形、長さ2.5〜9cm、幅1〜2cm。先は尖り、基部は鋭形、縁は基部に腺体のある鈍鋸歯がある。質は厚く、裏面の基部に毛があるほかは無毛。小葉はほとんど無柄で、葉軸に翼がある。
     花は雌雄異株、前年枝の葉腋から長さ1.5〜3cmの花序を出し、淡黄色の小さな花を多数つける。花被片は8個、狭披針形で長さ約1mm、先は鋭く尖る。雄花には雄しべは8個、長さ約3mm、内数個の雄しべは退化している。雌しべは基部で合着した2〜3個の心皮からなる。花柄は長さ2〜5mm、雌花では太く短い。
     果実は2〜3個の分果に分かれ、分果は楕円状球形〜卵球形で表面に多くのいぼ状突起があり、長さ約5mm、8月ごろ熟す。種子は楕円状球形〜ほぼ円形、長さ約4mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方以西)〜沖縄 (国外:朝鮮(南部)、中国、台湾)
     常緑樹林内や岩場

  • 花期 :  4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体(果実) 2014年10月30日  茨城県常陸太田市
     下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     サンショウの仲間は何種かあるが、この木は花に花弁と萼の区別がなく、葉軸に翼があるのが特徴である。
     秋に訪れた茨城県北部の渓谷、日当たりのいい岩場で目的の花を撮影し、ホッとして辺りを見回し余裕ができた。
     少し色付き始めた木々を見上げると、赤い実のついた樹木が目に入り、葉軸に翼のある特徴的な葉で本種とわかった。
     花は春に咲きサンショウに似ているが、関東地方にはあまり見られないようで、残念ながらまだ花は写せていない。

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葉