テリバザンショウ(照葉山椒)

Zanthoxylum nitidum


テリハザンショウ

  • 科名・属名 : ミカン科 サンショウ属

  • 特徴 :
     常緑性のつる性木本。
     枝や葉軸には長さ1〜3mmの下向きの鋭い刺がある。
     葉は互生し、羽状複葉で3〜7個の小葉からなり、長さ9〜23cm。小葉は卵形〜卵状楕円形、長さ5〜9cm、幅2〜4cm。先はごく短く尖り、基部は円形、縁は不明瞭な低い鋸歯がある。質は革質でツヤがあり、両面無毛。裏面主脈上に刺があり、幼木では葉表の主脈上にも長い刺がである。
     花は雌雄異株で、葉腋から円錐花序を伸ばし、多くの花をつける。花序軸は無毛。花柄は長さ約1mm。花弁は4個、淡黄色、卵状長楕円形で、長さ約4mm。萼は杯形で4裂し、裂片は広卵形で、長さ約0.7mm。雄花は4本の雄しべと1個の退化雌しべがあり、雌花は3〜4個の心皮からなる1個の雌しべがある。
     果実は3〜4個の分果に分かれ、分果は楕円状球形で、長さ約5空mm。種子は楕円状球形で、長さ約5mm、黒色でツヤがある。

  • 分布・生育地 :
     沖縄(久米島、八重山列島) (国外:中国(南部)、台湾、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ニューギニア、オーストラリア)
     低地の林内

  • 花期 :   1〜3月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2004年3月27日  沖縄県西表島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・花    同  上
     左下・果実 2019年5月9日    同  上
     右下・幼木の葉 2012年11月27日    同  上

  • 撮影記 :
     舟をチャーターし、西表島の川を遡行していると、川岸に咲くピンク色のセイシカが目に入り、舟を寄せて撮影した。
     今回の目的がこの花だっただけに花が見られたことで興奮し、「テリバザンショウが咲いている」との声にも、何となくカメラを向け撮影しただけだった。
     その後、撮り直そうと何度かチャレンジしたが、花にはまだ出会えていない。
     ただ、葉の表に長い刺のある幼木には時々出会う。成木になると葉表の刺はなくなり、刺は枝や葉裏の脈上などだけになるようだ。

  • 幼木の葉

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花

果実