ゴゼンタチバナ(御前橘)

Cornus canadense


ゴゼンタチバナ(群落)

  • 科名・属名 : ミズキ科 ミズキ属

  • 特徴 :
     草丈5〜20cmの常緑の多年草。
     根茎はほぼ水平に伸びて分枝する。茎は直立し、ほとんど無毛。
     葉は6個が輪生状につき、葉身は倒広卵形〜菱状楕円形、長さ2〜8cm、幅1〜2.5cm。両端は鋭尖形〜鋭形、無毛か疎らに伏毛がある。花のつかない茎は4個が輪生する。茎の中部に1対の小葉があり、また茎の基部にはごく小さな鱗片状の葉がある。
     花は1〜3cmの花茎の先に1個の頭状花序を出し、花をつける。花弁のように見えるのは4個の総苞片で、広卵形、普通白色で長さ0.7〜2.5cm。中央に緑白色で卵形、長さ1〜1.5mmの小さな花が10〜35個集まってつく。雄しべは4個。萼裂片は4個、広三角形。
     果実(核果)は球形で径5〜8mm、赤熟する。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州(中部以北、奈良県)、四国(愛媛県) (国外:朝鮮、中国(吉林省)、ミャンマー北部、極東ロシア、北アメリカ)
     亜高山帯の針葉樹林下

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2008年7月20日  長野県志賀高原
     中上・全体2 2004年6月13日  長野県上高地
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2018年7月19日  長野県栂池
     左下・果実 1977年10月16日  福島県尾瀬
     右下・葉 2018年7月19日  長野県栂池

  • 撮影記 :
     針葉樹林下の登山道、マイズルソウなどとともに木漏れ日を浴びる群落によく出会う。
     その中に、白いはずの花弁が少し緑色を帯びた花がある。それもそのはず、白く見えるのは花弁ではなく、葉の変化した総苞片であると知れば納得がいく。本当の花は、中心部の緑白色を帯びた部分である。
     春、庭や街中でまだ葉を伸ばさないうちに赤や白の目立つ花をつけるアメリカハナミズキという植物があるが、それと同じミズキ科の植物で花の作りはよく似ている。
     花の時期よりも、秋の赤い実がまた登山客の目を楽しませてくれる。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ゴゼンタチバナ2

花

果実