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- 科名・属名 : モクレン科 オガタマノキ属
注.APG分類では、モクレン属(Magnolia)とされ、学名(Magnolia compressa)
- 特徴 :
高さ5〜15mの常緑高木。
幹は太いものでは径80cmに達し、樹皮は暗褐色。
葉は互生し、葉身は長楕円形〜狭倒卵形、長さ5〜14cm、幅2〜5cm。先は鋭頭またはやや鋭尖頭で鈍端、基部はくさび形で全縁。質は革質、深緑色で光沢があり、裏面は白色を帯びる。葉柄は長さ2〜3cm、有毛。
花は葉腋に1個ずつつき、径約3cm、芳香がある。花被片は12個、狭倒卵形、鋭頭で長さ1.5〜2.5cm、帯黄白色で基部中央は紫紅色を帯び、内側のものは小さい。雄しべは30〜40本。
果実(集合果)は長さ5〜10cmのブドウの房状で淡紅紫色に熟す。袋果は卵形〜やや球形、長さ1.5〜2cm、中に2〜3個の赤色の種子が入る。
沖縄(八重山諸島)や台湾などに分布している、葉がやや幅狭く小型のものも同一種という考え方もあるが、ここではそれらはタイワンオガタマという変種の考え方に従った。
- 分布・生育地 :
本州(関東地方以西)〜沖縄(沖縄島、久米島) (国外:日本固有) 暖地の沿岸林内
- 花期 : 2〜4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2019年2月7日 沖縄県うるま市 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中上・花1 同 上 中中・花2 2017年3月15日 同 上 中下・果実(集合果) 2015年11月2日 長崎県平戸市 左下・種子、右下・葉 同 上
- 撮影記 :
晩秋に訪れた長崎県平戸島、秋の花を撮影しながらふと林縁を見ると、ブドウの房のような形をした淡い紅色の果実が目に入った。
「オガタマノキ」ということを同行者に教えられたが、形の面白さに惹かれ何枚も撮影した。一部は袋果が割れ、種子も顔を出し始めていた。
この木の花を何とか撮影したいと思って調べると、関東辺りまで分布しているものの、多くは神社などに植えられたものが多い。オガタマ(招霊)の名前が神社に似合うのだろう。
自生とされる千葉県にも探しに行ったが、花に出会えることはなかった。
そんな時、3月に訪れた沖縄で偶然この花に出会えた。花期は最終盤でほとんどが花弁を落としていたが、わずかに数花残っていた。
盛期の頃は樹全体が白く見えるほどということで、この次は盛期の頃に訪れようと心に誓った。
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