クロツリバナ(黒吊花)

Euonymus tricarpus


クロツリバナ1

  • 科名・属名 : ニシキギ科 ニシキギ属

  • 特徴 :
     高さ2〜3mの落葉低木。
     今年枝は緑色で平滑、前年枝は紫褐色で丸く、古い枝は次第に灰色になる。
     葉は対生、葉身は楕円形、長さ2.5〜12cm、幅1.5〜9cm。先は急鋭尖頭、基部は円形〜くさび形、縁には細かい鋸歯がある。葉脈が上面で凹入して下面で隆起して著しいシワ状になり、両面無毛。葉柄は長さ5〜10mm。
     花は今年枝の芽鱗痕から長さ2〜4cmの花序枝を出し、長さ2.5〜5cmの花序に(1−)3〜7花が垂れ下がってつく。花は5数性、径約8mm、花弁は暗紫色〜暗赤褐色、ほぼ円形で径約3mm、反曲し内側に微突起を密生する。雄しべは5個、花盤の上につき、花盤は花弁と同色。萼は5裂し広卵形、長さ約1.5mm。
     果実(刮ハ)は球形、径約1cm、下向きに張り出した大きな翼が3個あり、9〜10月に紅熟し、3裂して橙赤色の仮種皮に包まれた種子を出す。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方以北) (国外:サハリン)
     亜高山帯の林縁

  • 花期 :   6〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1982年7月4日  北海道夕張岳
     全体2 2018年7月19日  長野県栂池自然園
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花、右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     湿原のスゲを探しながら木道を歩く。目立たない色の小穂をつけるだけのスゲの仲間は見つけ難い。
     ふと木道と反対側に目をやると、キヌガサソウ咲いているのが目に入り、カメラを向ける。
     上から垂れ下がる枝が邪魔で除けようとして見ると、暗赤褐色の小さな花がぶら下がっているのに気がついた。
     ずっと以前、夕張岳でお目にかかっていた以来の出合い、少し遅めの花だったがキヌガサソウの後、しっかり撮影させてもらった。

  • 葉

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クロツリバナ2

花