ミヤマハシカンボク(深山波干木)

Blastus cochinchinensis


ミヤマハシカンボク1

  • 科名・属名 : ノボタン科 ミヤマハシカンボク属

  • 特徴 :
     高さ2〜3mの常緑低木。
     枝は細く、黄色を帯びた腺毛が全体にある。
     葉は対生し、披針形〜楕円状卵形、長さ8〜15cm、幅2.5〜5cm。先は尾状に尖り、基部は鋭形〜鈍形で全縁。5行脈があるが、最も外側の2脈は細くて葉縁に近い。
     花は葉腋に束生し、少数の花をつけ、花弁は白色で4個、三角状卵形、基部の爪部は長さ約3mm。雄蕊はピンク色で長さ約4mm、花冠から突き出る。花柄は長さ3〜5mm。萼筒は円筒状鐘形で長さ2〜3mm。
     果実(刮ハ)は壷状球形で4溝があり、長さ約3mm、熟すと4片に裂開する。

  • 分布・生育地 :
     九州(屋久島以南)〜沖縄 (国外:中国(南部)、台湾、インドシナ)
     山地林内

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2012年7月30日  鹿児島県屋久島
     中・全体2、中下・花    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・果実(刮ハ) 2018年4月21日    同  上
     右上・葉1 2012年7月30日    同  上
     右下・葉2 2018年4月21日    同  上

  • 撮影記 :
     ノボタン科の花は日本に数種類あるが、どれも南方系で大きく美しい花をつけるものが多い。
     その中でこの花は小さくで地味で、前々から探していたが見つけられなかった。
     2012年、久し振りに訪れた屋久島、以前訪れたいろいろな場所の現況を確認しながら1日を費やした。
     かってダルマエビネを撮影したある沢沿い、間伐されたのかすっかり明るくなっていて、ダルマエビネの株は見当たらなかった。
     シダ類も激減していてガッカリして戻りかけた時、斜面の木本に小さな花みたいなものがついているのに気がついた。
     近寄ってみると探していたこの花、こんな場所でというのとこんな小さいのかという2つの驚きがあった。

  • 葉1

    葉2

    同じ科の仲間の花
ミヤマハシカンボク2

花

果実(刮ハ)