エゾノアオイスミレ(蝦夷の葵菫)

Viola teshioensis


エゾノアオイスミレ1


  • 科名・属名 : スミレ科 スミレ属

  • 特徴 :
     草丈3〜10cmの多年草。
     有茎種。地下茎は太くて節間は短く、地上匐枝を出さない。
     根出葉の葉身は卵形〜円心形、長さ2〜4cm。先は鋭頭〜鈍頭、基部は深い心形、縁には低い鋸歯がある。質は薄く、淡緑色で、あまり開かず巻いていて、両面にビロード状の毛のある場合が多い。葉柄は長さ3〜10cm。托葉は広楕円形。夏葉は大型で、径6〜7cmになる。
     花は径約1.5cm、青紫色〜淡青紫色または淡紅紫色。花弁はながさ10〜12mm、波状縁」になり、側弁の基部は有毛。距は太くて短く、長さ3〜4.5mm、先端は内曲する。花柱はカギ形で上部は棒状、柱頭は下向きに強く突き出る。萼片は楕円状披針形〜披針形、腺毛があり、付属体は半円形で全縁。
     果実(刮ハ)は球形、径6〜8mm、密に毛がある。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方以北) (国外:朝鮮、中国(東北部)、ロシア極東地域、モンゴル、他ユーラシア大陸の亜寒帯域に広く分布)
     山地〜亜高山の落葉樹林下の湿り気のある林内、林縁

  • 花期 :  4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2000年4月23日  山梨県三ツ峠
     中・全体2 1992年5月24日  北海道中川郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・花 2000年4月23日  山梨県三ツ峠

  • 撮影記 :
     アオイスミレに比べると山地に多く、地上匐枝を出さない、越冬葉を出さないことや、花がよく開くことが異なるとされる。
     それよりも、全体に生えるビロード状の毛が印象的で、すぐ本種とわかる。
     本州で見た花(上の写真)はよく開いていて、北海道で見た株(中の写真)より見映えがした。
     三ツ峠ではまだ他の植物も芽出さない林下で鮮やかに咲いていた。

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エゾノアオイスミレ2

花