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- 科名・属名 : スミレ科 スミレ属
- 特徴 :
草丈3〜8cmの多年草。
有茎種。地下茎は太く、節間は短い。開花後、地上匐枝が地表を這って伸び、先端に新株を作る。
根出葉は円心形〜心形、長さ1〜4cm、初めは両側から巻いて筒のようになっている。先は円頭、基部は心形、縁には低い波状の鋸歯がある。全体に毛が多く、質は薄く、表面は浅緑色、脈に沿ってわずかに凹み、裏面は淡緑色。夏葉は径6〜7cm程度と著しく大きくなり、越冬することが多い。
花は直径1〜1.5cmと小さく、淡紫色であるが白に近いものもある。花弁は長さ1〜1.3mm、波状縁となり、側弁の基部は有毛、無毛両方ある。花柱はカギ形、上部は棒状、柱頭は下向きに突き出る。距は太くて短く、長さ3〜4.5mm、先端は内曲する。萼片は楕円形〜卵形で有毛、付属体は浅い2歯がある。
果実(刮ハ)は球形、径5〜8mm、粗い毛を密生し、やや肉質で裂開する。裂開後刮ハの裂片は平らになり、舟形にならない。果柄は下方に向かって内曲し、種子は飛ばされず、根元に零れ落ちる。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:韓国(鬱陵島、中国(東部)) 湿り気の多い落葉樹林下や林縁
- 花期 : 3〜4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1999年3月21日 東京都高尾山 中上・全体2 1994年3月26日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花 2014年3月29日 東京都八王子市 中下・果実(刮ハ) 2017年11月22日 東京都高尾山 左下・裂開した果実 同 上 右上・葉 2016年3月27日 同 上 右下・夏葉 2017年11月22日
- 撮影記 :
本州のスミレの中ではタチツボスミレとともに最も早く咲き始め、他のスミレが最盛期を迎える頃にはほとんどが終わっている。
スミレ観察の開始はまずこの花であるが、側花弁が閉じたように咲くことが多く、何となくだらしない咲き方である。
よく似たエゾノアオイスミレとは、本種は花時にも越冬葉が残っていることや、花後匍匐茎を伸ばして増えることが異なる。
花は淡紫色のものが多いものの、中上の写真のように白に近い花を咲かせるものもある。
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