ヒメスミレサイシン(姫菫細辛)

Viola yazawane


ヒメスミレサイシン1


  • 科名・属名 : スミレ科 スミレ属

  • 特徴 :
     草丈4〜8cmの多年草。
     無茎種。地下茎は肥厚し、上部に前年の葉柄が残る。
     葉は互生、根生葉は少数で、葉身は長卵形〜広卵状心形、長さ1.5〜4cm。先は鋭尖形、基部は深い心形、縁に上向きする粗い鋸歯がある。質は薄く、両面に短い毛が散生する。花時は葉は展開せず巻いていて、花後に展開する。葉柄は花時で長さ3〜8cm、花後は8〜15cmに伸びる。托葉はほぼ離生し、披針形で、長さ3〜4mm。
     花は白色で紫色の条があり、径1〜2cm。花柄は長さ7〜8cm。花弁は長さ8〜13mm、幅5〜8mm、先端は反り返り、側弁の基部は無毛。距は長さ2.5〜3mmと短く、嚢状。花柱は突出形(カマキリの頭形)、上部の両翼が左右に短く張り出し、柱頭は突き出る。萼片は狭卵状披針形で鋭頭、先が反り返っているものが多く、長さ5〜8mm、付属体は全縁。
     果実(刮ハ)は卵状、長さ7〜8mmで尖り、暗緑色の地に紫色の斑点がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(中部地方東部〜関東地方) (国外:朝鮮(中部))
     亜高山〜高山帯の針葉樹林下や林縁

  • 花期 :  4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2007年5月27日  長野県北佐久郡
     中・全体2 1995年5月6日  山梨県三ツ峠
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花 1983年4月30日    同  上
     右下・葉 1986年5月25日  長野県諏訪郡

  • 撮影記 :
     本州中部のフォッサマグナ帯周辺のみ分布している。
     このような分布の植物にサンショウバラなどがある。
     1,300mを超える亜高山帯〜高山帯に生育するため5月になってから咲く。
     関東地方ではスミレの多い三ツ峠でもその頃は他のスミレはピークを越えており、スミレが目的で出かけるとやや寂しい。
     これまであまり花付きのいい株をみたことがなかったが、長野県のある岩場で、花が2〜4個もついている群落に出会った。
     初めは別の種と思うくらいで、巻いている葉を見て本種であることが確認できた。

  • 葉

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ヒメスミレサイシン2

花