ヒトツバエゾスミレ(一葉蝦夷菫)

Viola eizanesisi var. simplicifolia


ヒトツバエゾスミレ1


  • 科名・属名 : スミレ科 スミレ属

  • 特徴 :
     草丈5〜15cmの多年草。
     無茎種。地下茎は短い。
    葉は互生、葉身は単葉が基本であるが、不規則に2〜3裂するもの、欠刻のあるものなどいろいろある。花時の葉は長さ2〜5cm、幅1.5〜3.5cmであるが、花後は全て単葉になり、長さ20cm近く、幅も10cm程度になる。
     花は淡紅紫色で、径2〜2.5cm。花弁は長さ15〜20mm、幅8〜10mm、幅が広くて円みがある。側弁の基部は有毛。距は太くて短く、長さ6〜7mm。花柱は突頭形(カマキリの頭形)、上部は左右に膨らまず、柱頭は短く突き出る。萼片は披針形、付属体には鋸歯がある。
     果実(刮ハ)は長楕円形で鈍頭、長さ12〜15mm。
     この花の白花を、
     ナルカミスミレ(f. leucantha)(左下の写真)という。

  • 分布・生育地 :
     本州(栃木・群馬・長野県)、四国 (国外:日本固有)
     腐植土の多い山地の林下

  • 花期 :  4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1984年4月29日  群馬県鳴神山
     中上・全体2 2008年4月19日    同  上
     中中・全体3 1984年4月29日    同  上
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2015年4月22日    同  上
     左下・ナルカミ、右下・葉    同  上
     (左下は詳細写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     群馬県の鳴神山はカッコソウの自生地として有名であるが、カッコソウの咲く少し前、スミレの種類も多い楽しい山だ。
     有名なナルカミスミレを産し、一度は訪れたい山である。
     本種は、関東地方の北部に知られていたが、最近、白馬や四国でも見つけられたようだ。
     写真でもわかるように、花時は株ごとに葉の形が異なり、それを見るだけでも面白い。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ヒトツバエゾスミレ2

ヒトツバエゾスミレ3

花

ナルカミスミレ