タカネスミレ(高嶺菫)

Viola crassa sabsp. crassa


タカネスミレ1

  • 科名・属名 : スミレ科 スミレ属

  • 特徴 :
     草丈5〜12cmの多年草。有茎種。
     地下茎は短く、匍匐し、節間は短い。茎は細く鮮緑色。
     根出葉は花時にも枯れず、葉身は腎心形〜円形、長さ1〜2.5cm、幅1〜4cm。先は円く、基部は深い心形、縁には低い波状の鋸歯があり、表側に強く巻き込む。質は厚く、光沢があり、濃緑色で時に赤褐色を帯びることがあり、基部は有毛。葉柄は長さ3〜5cm、有毛。托葉は卵形で離生し、長さ3〜4mm、やや鈍頭、全縁かわずかに鋸歯がある。
     花は黄色で径1.5〜2cm。花柄は長さ2〜5cm、線形の小苞がある。花弁は5個、長さ10〜12mm、上の花弁と側弁は上向きに反り返り、毛束がない。唇弁は大きく、先端は鋭頭、褐色の条が入る。距は長さ約1cm、嚢状。花柱はY字形、上部が大きく2裂し、各裂片は水平に伸び、突起毛がある。
     果実(刮ハ)は長卵形、無毛。
     別名 タカネキスミレ

  • 分布・生育地 :
     本州(岩手山、秋田駒ケ岳、薬師岳) (国外:日本固有)
     高山の砂礫地

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2005年6月25日  秋田県秋田駒ケ岳
     中・全体2(群落)、以下全て    同  上
     (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     砂礫地を一面黄色に染めた光景は、話には聞いていたものの素晴らしいものだった。写真でその雰囲気を感じとってももらえれば幸いである。
     キバナコマノツメの仲間で、秋田駒ケ岳に咲くこの花を見たいと思い、天気予報をギリギリまで待って出かけたのは6月の末であった。
     しかし、この山で梅雨時に好天を望むのは無理というもの。予報とは異なり身体ごと吹き飛ばされそうな強風の中、それでも時たま薄れるガスの合間をぬってやっと撮影した。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
タカネスミレ2(群落1)

タカネスミレ3(群落2)

花