サナエタデ(早苗蓼)

Persicaria scabra


サナエタデ1

  • 科名・属名 : タデ科 イヌタデ属
     注.APG分類では、学名(P. lapathifolia var. incana)

  • 特徴 :
     草丈15〜70cmの1年草。
     茎は直立するか基部で斜上し、上部は分枝する。節はあまり膨れない。
     葉は互生し、披針形〜卵状披針形、長さ4〜12cm、幅0.5〜3.5cm。先は鋭形か稀にやや鈍形、基部はくさび形。質はやや厚く、両面の脈上には短毛があり、時に裏面に白い綿毛がある。托葉鞘は筒形、膜質で、縁毛はない。
     花は枝先に長さ1〜5cmの円柱状の総状花序となり、花被片は淡紅色〜白色、4〜5深裂する。花序は普通直立し、柄は短く枝を分けない。
     果実(痩果)は扁平な円形、黒褐色で光沢がある。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:北半球に広く分布、南半球にも帰化)
     畑、田、湖畔の砂地

  • 花期 :   5〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2007年6月2日  東京都日野市
     中上・全体2(葉斑無) 2011年6月8日  群馬県藤岡市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2007年6月3日 東京都日野市
     左下・托葉鞘、右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     イヌタデ属の仲間は夏から秋にかけて咲く種類が多いが、この花は名前のように5月頃から咲き始める。
     東京都といっても23区を外れると、まだ民家の間に畑や田が残っている街も多い。日野市もそんな場所で、駅から10分も歩くと、多摩川沿いにはわずかながらも田や畑が残っている。
     6月初め、田んぼにピンクのタデ科の花が咲いていた。この時期ならハルタデか本種の可能性が強い。托葉鞘はと見ると無毛なことからサナエタデと判断した。
     ここも数日後、田植えのためきれいに耕され、一面に咲いていたこの花も跡形もなかった。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
サナエタデ2

花

托葉鞘