コウトウヤマヒハツ(紅頭山篳撥)

Antidesma pentandrum


コウトウヤマヒハツ1


  • 科名・属名 : トウダイグサ科 ヤマヒハツ属
     注.APG分類では、ミカンソウ科(PHYLLANTHACEAE)。属名以下変わらず。

  • 特徴 :
     高さ3〜5mの常緑小低木〜小高木。
     枝はよく分枝し、褐色または白色の短毛がある。
     葉は互生し、卵形〜倒卵形で長さ6〜8cm、幅2〜4cm。先は短い鋭尖形となり、基部は広いくさび形〜円形、全縁で表面は無毛、側脈は縁から1/3付近で分岐し、上下の側脈に合流する。
     雌雄異株で、花序は葉腋や枝先につき、雄花は円錐状、雌花は総状になって長さ3〜5cm。花は径1mm以下と小さく、花弁はなくて萼片が4裂し、広卵形で長さ約0.5mm、平開または反り返る。雄花は長さ1〜1.5mmの柄があり、有毛。雌花は3〜5個の萼裂片があり、先は直立する。
     果実(核果)は球形で径約5mm、初め紅色で後に黒熟し、基部には萼が、先端には柱頭が宿存する。
     別名 シマヤマヒハツ

  • 分布・生育地 :
     九州(与論島以南)〜沖縄 (国外:台湾、フィリピン)
     山地の林縁、林内

  • 花期 :  3〜9月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2016年6月23日  沖縄県国頭郡
     中1・全体2 2011年5月23日  沖縄県西表島
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・雌花 2016年6月23日  沖縄県国頭郡
     中3・雄花 2022年7月11日  沖縄県西表島
     中4・果実1 2009年12月20日    同  上
     中5・果実2(未熟果) 2019年2月7日  沖縄県うるま市
     左下・果実3(熟果) 2021年3月16日  沖縄県宮古島
     右上・葉(表) 2016年6月23日  沖縄県国頭郡
     右下・葉(裏) 2019年2月7日  沖縄県うるま市

  • 撮影記 :
     ヒハツ(篳撥)とは中国語の長胡椒を指し、この花の果実がそれに似ていることから和名がつけられている。
     長胡椒(コショウ科)とは用途が違うがこの実も食用となるようで、酸味と苦味が強いことから果実酒に利用されている。
     ヤマヒハツという同属のよく似た樹木があるが、本種の葉は幅が広くて先端が短い鋭尖形で、長く尖るヤマヒハツとは異なる。
     沖縄では庭木として植えられ、民家の防風林となっていることも多い。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
コウトウヤマヒハツ2

雌花

雄花

果実1

果実2(未熟果)

果実3(熟果)