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- 科名・属名 : ツバキ科 ナツツバキ属
- 特徴 :
高さ10〜20mの落葉高木。
幹は太いものでは径60cmにもなり、樹皮は初めは灰褐色であるが、4〜5年枝では淡赤褐色で平滑になり、その後薄片状に剥れ、斑紋状になる。
葉は互生し、葉身は長楕円形〜楕円形、長さ4〜9cm、幅2〜5cm。先は鋭尖頭、基部は狭いくさび形、縁には低い鋸歯がある。表面は緑色で主脈や側脈には細かい伏毛があり、裏面は葉腋に毛がある。葉柄は長さ7〜15mm。
花は今年枝のやや下方の葉腋に1個上向きに咲き、径1.5〜3cm。花弁は5個、白色、倒卵形で基部でわずかに合着し、外面に白い絹毛が密生する。雄しべは多数、花弁より短く、花糸は基部の1/3ほどが合着する。花柱は有毛、角の丸い5稜があり、上部は5浅裂する。萼片は5個、瓦重ねにつく。花柄は長さ5〜10mm、頂端に2個の葉状の苞がある。
果実(刮ハ)は5稜のある卵形〜楕円形、径約1cm、果皮は白い毛に覆われ、熟すと先端から半開状に5裂する。
- 分布・生育地 :
本州(神奈川県箱根以西(除く中国地方))〜九州(屋久島まで) (国外:日本固有) 山地のブナ林帯
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2018年7月3日 神奈川県箱根 中上・全体2、以下(幹を除く) 同 上 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下 2017年7月7日 同 上
- 撮影記 :
箱根にこの木の純林があり、神奈川県の天然記念物に指定されてることは以前から知っていた。
図鑑には花は5月とされているが、箱根のものはその頃花は見られず、いつごろ咲くのだろうと電話をかけたりしたがはっきりした回答は得られず、試しに7月中頃出かけて見た。
しかし、花は全く見られず、翌年7月上旬に出かけて見たが、わずかに残花が見られるだけ。さらに次の年、少し早めに訪れるとやっと花が見られた。
ただ、地面には落下した花が一面に覆っている。何とか写したが、ここの花の盛期は6月中〜下旬のようだ。
よく似たヒコサンヒメシャラがあるが、本種の方が花や果実が一回り小さい。
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