ヒコサンヒメシャラ(英彦山姫沙羅)

Stewartia serrata


ヒコサンヒメシャラ

  • 科名・属名 : ツバキ科 ナツツバキ属

  • 特徴 :
     高さ10〜20mの落葉高木。
     幹は太いものでは40cmになり、樹皮は赤褐色〜黄褐色で滑らかだが、外皮が薄く剥がれ暗色の斑紋になるが、老木では剥落の後は目立たなくなる。
     葉は互生し、葉身は卵状楕円形〜楕円形、長さ3〜7cm、幅1.5〜3cm。先は鋭く尖り、基部はくさび形、縁には内曲する浅い鋸歯がある。質は洋皮質、表面は緑色でほとんど無毛、裏面は脈沿いや脈腋に毛がある。葉柄は長さ4〜7mm。
     花は今年枝の下部の葉腋に1個上向きにつき、径3.5〜4cm。花弁は白色で5個、倒卵形で基部でわずかに合着し、背面には白い絹毛が密生する。雄しべは多数あり、花弁より短く下部で合着し、花弁の基部ともわずかに合着する。萼片は長さ1.2〜1.7mm、花柄は長さ2〜4mm。
     果実(刮ハ)は卵形〜楕円形で長さ約1.5cm、5稜があり木質で硬く、熟すと先が半開状に5裂する。

  • 分布・生育地 :
     本州(神奈川県丹沢以西)、四国、九州 (国外:朝鮮(済州島))
     山地

  • 花期 :   7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2016年7月1日  静岡県富士山
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・花、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     久し振りに訪れた富士山麓、以前撮影したハコネランが健在であることを喜び、他に何かないかと林内を歩く。
     以前は見向きもしなかったスゲ類などを撮影しながら進むと、白いツバキの花が落ちているのが目に入り上を見上げる。
     すると、わずかに咲き残った花がいくつか着いていた。例年ならまだ問題ない時期なのに今年は大分花期が早かったようだ。
     過去に箱根や伊豆で何度も落ちている花を見たことがあるのに、樹の花にさほど興味がなかったことや、高木で撮影しづらいこともあって見逃し、あまり状態の良くない花を撮影することになってしまった。
     良く似たヒメシャラに比べると花が大きいので見栄えがする。

  • 葉

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花

樹幹