ツリフネソウ(釣舟草)

Impatiens textorii


ツリフネソウ1

  • 科名・属名 : ツリフネソウ科 ツリフネソウ属

  • 特徴 :
     草丈50〜80cmの1年草。
     茎は花序を除き無毛で、やや赤みを帯び、節は膨らむ。
     葉は互生し、菱状楕円形で長さ6〜14cm、幅4〜7cm。先は尖り、縁には鋸歯がある。
     花序は葉腋から斜上し、7〜8花をつける。花は紅紫色で長さ3.5〜4cm、正面の幅2.5〜3cm。花弁は3個、旗弁は円心形、翼弁は2裂する。上裂片は角状に伸び、内側に暗紅紫色の腺状突起がある。上裂片と下裂片の分岐部の内側は黄色で、紅紫色の斑点がある。距は著しく渦巻状に巻き込む。花柄には紅紫色の突起毛がある。
     果実(刮ハ)は紡錘形げ長さ1〜2cm、茎の下部の葉腋に閉鎖花をつける。果実はちょっとした刺激で果皮が5片にはじけて巻き、種子を飛ばす。
     花の白いものがありシロツリフネ(f. pallescens)という。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国(東北部)、ロシア(極東地域))
     山野の湿地や水辺

  • 花期 :   8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2016年9月2日  長野県軽井沢
     中上・全体2 2005年9月19日  栃木県今市市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花 1986年8月30日  神奈川県箱根
     中下・果実 2016年11月5日  東京都八王子市
     左下・裂開した果実    同  上
     右上・葉、右下・茎    同  上

  • 撮影記 :
     舟に見えるかはともかく、紅紫色の大きな花をいくつもぶら下げた姿は目を引くことは間違いない。
     やや湿り気のある場所に群落を作って生えているので目立ち、花も変わった形で面白いので、植物に詳しくない人でもすぐに名前を覚えてしまう花である。
     似た形の花にキツリフネがあるが、花の色が違うのですぐにわかる。
     また、果実は紡錘状で小さいが、少し触っただけで5裂し種子を飛ばすので、触ってみるのも面白い。

  • 花柄

    葉

    同じ科の仲間の花
ツリフネソウ2

花

果実

裂開した果実