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- 科名・属名 :
ウマノスズクサ科 カンアオイ属 注.APG分類では、学名(Asarum kurosawae)
- 特徴 :
草丈5〜10cmの多年草。
葉は円形、長さ、幅とも5〜7。先は鈍頭、基部は心形。表面は光沢のない暗緑色、普通雲紋が入り、短毛を散生する。
花は茎の先に1個つく。花弁はなく、萼筒は丸みのある鐘形、暗褐色〜緑紫色であるが変化も多く、長さ、径とも12〜14mm、口環の発達が弱いため、萼口は広い。萼裂片は卵状三角形で萼筒よりやや短く、長さ10〜12mm、やや斜めに開く。萼筒内部の隆起襞は縦が約30本、横が約10本で網目状になるが、隆起が弱いためあまり目立たず、その表面に多細胞の微毛が多数生える。
雄しべは12個、花柱は6個で直立し、先は角状に細く伸びて萼口に達する。
ヒメカンアオイに似ているが、花期が違うことと、萼筒内部の縦襞が約30本もあり、横襞も約10本と格子状の模様が細密である。
- 分布・生育地 :
本州(静岡県西部〜愛知県東部) (国外:日本固有) 山地林下
- 花期 : 10〜2月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2004年1月1日 静岡県磐田市 中1・全体2 1994年1月2日 同 上 中2・全体3 2004年1月1日 同 上 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・花1 同 上 中4・花2 1994年1月2日 同 上 左下・萼筒内部 2004年1月1日 同 上 右上・葉1 2016年5月19日 愛知県豊橋市 右下・葉2 同 上
- 撮影記 :
分布域が静岡県磐田市付近と静岡・愛知県境付近と狭い花で、発見された故郷の磐田市の林下で撮影した。
学名のkurosawaeは、母校の高校の生物教師で、地域の植物研究に尽くされ、この花を発見した故黒沢良房先生から付けられている。今でも柔和な笑顔が思い出される。
この花は萼筒内部の襞の数が多いが隆起が弱いためあまり目立たず、襞上に多細胞網が密生するのが特徴である。
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