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- 科名・属名 : ウマノスズクサ科 ウマノスズクサ属
注.APG分類では、学名(Aristolochia zollingeriana)
- 特徴 :
長さ約5mまたはそれ以上になる全体無毛のつる性の多年草。
葉は三角状卵形〜菱形状心形、長さ6〜12cm、幅5〜9cm。先はやや鋭形、基部は浅い心形、縁は全縁。質は薄い革質、表面は光沢があり、裏面は淡白色、葉脈は裏面に突出する。葉柄は長さ1.5〜3.5cm。
花は葉腋に3〜4個集まってつく。花柄は長さ1〜1.5cm。花筒はラッパ状でやや上方へ湾曲し、淡緑色で褐黄色を帯びることがあり、長さ3〜4cm、径0.5〜1cm。基部は円く膨れ、子房との間に短い柄があり、舷部は広がって卵状長楕円形で長さ3cmくらいになり、両端は少し反り返る。花筒内部には毛があり、後に脱落し、舷部内面は褐色を帯び、粗毛がある。
果実(刮ハ)は倒卵状球形、長さ5〜6cm、幅約2cm、基部から6裂する。種子は扁平で扇形、長さ6〜7mm、膜状の翼がある。
- 分布・生育地 :
沖縄県(宮古・尖閣諸島) (国外:台湾、フィリピン、マレーシア) 林縁
- 花期 : 6〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2006年8月5日 沖縄県宮古島 中上・全体2、中中・花 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・果実 2021年3月16日 同 上 左下・果実(群生)、以下全て 同 上
- 撮影記 :
目的の場所に近づくにつれて胸の鼓動は高まった。「果たして咲いているのだろうか」花期のはっきりしない南方の花、この目で確認するまでは。見覚えある大きな葉の陰に奇妙な花を見つけたときは正直ホッとした。
春先、アリマウマノスズクサとは色の違う葉や果実(参考)を見つけ、多分この時期なら花が見られるだろうとやってきたのだ。
しかし、見るからに奇妙な形の花だ。ウマノスズクサ属の特徴のラッパ状の花は納得できるものの、写真でもわかるように、さらに伸びた花筒の先が外側に反り返って半筒形になり、褐色を帯びている。撮影を後回しにしてしばし観察した。
宮古諸島は高い山がなく何度か水没したので、ハブもいないかわりに植物相もやや単調だ。
ただ、他ではあまり見られない花がいくつか知られているので、一度は訪れたい島だ。
それに、花でなくともエメラルドグリーンの海だけでも素晴らしい。
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