クエゾサイシン(奥蝦夷細辛)

Asiasarum heterotropoides


オクエゾサイシン1

  • 科名・属名 :
     ウマノスズクサ科 ウスバサイシン属
     注.APG分類ではカンアオイ属、学名(Asarum heterotropoides)

  • 特徴 :
     草丈5〜15cmの多年草。
     葉は茎の先に2個つき、広卵形で長さ4〜13cm、幅3〜12cm。葉先は尖らず、基部は深い心形。
     花は濃紫褐色で、萼筒は扁球形、長さ5〜10mm、径10〜15mm。萼口は狭く、径は萼筒の半分以下。萼筒内壁は全体が暗紫色にはならず一部は白色か淡桃色。萼裂片は厚く、やや広卵形で先が尖らず、平坦で全体が反り返る。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(北部) (国外:サハリン、千島、ウスリー)
     山地の湿った林下

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     1992年5月3日  北海道旭川市
     中 2010年5月24日    同  上
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・花 1982年5月16日  北海道アポイ岳

  • 撮影記 :
     ウスバサイシンに似るが、萼筒の内側全体が暗紫色にならず、また葉先も尖らない。
     北海道に分布しているウマノスズクサ科の植物はこれだけで、他のカンアオイ属の種類は一つもなく、この科が南方系であることがわかる。
     北海道ではそんなに珍しくもなく、この植物を食草とするヒメギフチョウの産地に5〜6月頃行けば必ず見られる。
     いつも地上すれすれで花を咲かせるため撮影に苦労させられる。
     アップの花ははアポイ岳の登山道際、撮ってくれとばかりに登山道の法面の撮り易い高さに咲いていた。

  • 同じ科の仲間の花
オクエゾサイシン2

花