エゾノチャルメルソウ(蝦夷の哨吶草)

Mitella integripetala


エゾノチャルメルソウ1

  • 科名・属名 : ユキノシタ科 チャルメルソウ属

  • 特徴 :
     草丈25〜40cmの多年草。
     細い走出枝がある。
     根出葉は三角状卵形、長さ、幅とも3〜7cm。先は鈍形、基部は心形、浅く5裂し、縁にはややまばらに不規則な鋸歯があり、表面に毛を散生する。葉柄は長さ10〜15cm。
     花茎には短い腺毛が密生し、1〜2(-3)個の卵形の葉を相接してつける。
     花は花茎の先に8〜16個がややまばらに互生し、径約1cm。萼筒は杯形、萼片は三角状披針形で5個、長さ約2mm、両面に微腺毛がある。花弁は針状線形、長さ4〜5mm、幅約0.7mm、紅紫色で萼片より長く、後に反り返り、微腺点がある。雄しべは5個、萼裂片と対生し、花糸は長さ約0.6mm、裂開前の葯は鮮黄色。
     果実(刮ハ)は花柱間で縫合線に沿って裂開する。種子は長卵形、長さ約0.7mm、黒熟する。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(東北地方) (国外:日本固有)
     深山の沢沿い

  • 花期 :   5〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2008年5月25日  岩手県盛岡市
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     エゾと和名がつけられているように北海道の花であるが、東北地方北部にも分布している。(最近、福島県でも見つかっているようであるが)
     東北に遠征した際、この花の記録がある場所に立ち寄ってみた。チャルメルソウの生育する場所は沢沿いの湿った場所、多分見つかるはずと、所々で車を止め探してみる。
     雰囲気のよく似たズダヤクシュの白い花ばかりが目立ち、目的の花は見当たらない。
     沢が広くて大きくイメージに合う場所がない。沢沿いの道をかなり奥まで詰めてみたが見つからない。
     帰りの時間もあり、ここが最後と降り立った川岸、白くない花が目に入った、チャルメルソウだ。反り返った花弁が特徴的で面白い形の花、間違いなく本種だ。やっと会えた喜びで、時間ギリギリまで撮影した。

  • 花茎の葉

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エゾノチャルメルソウ2

花