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- 科名・属名 : ユキノシタ科 クサアジサイ属
注.APG分類では、アジサイ科(HYDRANGEACEAE)
- 特徴 :
草丈10〜36cmの多年草。
茎は下部に開出する毛が多い。
葉は対生または互生、葉身は狭披針形、大きいものは長さ2.7〜8.5cm、幅0.7〜1.6cm。先はやや尾状の鋭尖頭で基部はくさび形、縁は片側に7〜16個の鋸歯がある。両面に白色で長さ約0.7mmの毛を散生する。
花序は頂生して集散花序となり、淡紅色〜白色の花を多数つけ、花序の周辺には装飾花がある。装飾花は3個、卵形で長さ7〜18mm、淡紅色〜白色の花弁状の萼片からなる。花序には狭楕円形〜狭披針形で宿存性の苞がある。花弁は普通5個、花筒の上側につき、倒卵形〜広倒卵形、円頭で瓦重ね状につき、淡紅色〜白色、長さ2.5〜3mm、幅2〜2.5mm、開花時には平開する。雄しべは約20個、長さ約2〜3mm。花柱は花期に直立し、長さ0.5〜0.8m、果期には外曲する。
果実(刮ハ)は卵状で長さ3〜4mm。
(「神奈川県植物誌2018」の記述を参考にした)
- 分布・生育地 :
本州(神奈川県西部〜静岡県東部) (国外:日本固有) やや湿った林下、岩上
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2006年7月16日 静岡県熱海市 中上・全体2 2019年7月24日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花序、中下・花 同 上 左下・装飾花 2022年8月7日 同 上 右下・葉 2019年7月24日 同 上
- 撮影記 :
最初にこの花を撮影した時は、葉の細いクサアジサイと思い記録していた。
その後、「神奈川県植物誌」で、2001年学名がつけられたことや本種の特徴などが記載されているのを見付けた。
それによると、クサアジサイは葉身が長楕円形で、鋸歯は15〜38個に対し、本種では狭披針形で、鋸歯は7〜16個との違いがあるとされ、これに当たるのではないかと思った。
十数年後、クサアジサイとの違いを確認し撮影しようと現地を訪れると、数は多くないものの点々とこの花が咲いていた。葉のつき方や形、鋸歯の数などを確認しながら撮影したが、どちらともつかないようなタイプの花も見られた。
また、葉は対生するものが多いと「改訂新版 日本の野生植物4」(平凡社)には記されているが、「神奈川県植物誌」では初め対生も直ぐに互生となると記されている。
実際、右下の葉の写真では互生の様子が見られるが、全体写真では互生になっている。
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