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- 科名・属名 : ユキノシタ科 ウメバチソウ属
注.APG分類では、ニシキギ科(CELASTRACEAE)、属名以下変わらず。
- 特徴 :
草丈5〜15cmの多年草。
根茎は短く、直立〜斜上する。
根出葉は数個束生し、葉身は腎円形〜広卵形、長さ幅とも7〜15mm。先は円形、基部は心形。有柄。茎葉は1個、無柄でやや茎を抱く。
花は花茎の先に1個つき、白色で、径8〜10mm。花弁は5個、広卵形で鈍頭、長さ4〜6mm、基部には明らかな爪があり、花時には平開する。萼筒は短く、萼裂片は5個、披針状卵形で鈍頭、長さ約2.5mm、花時には斜開する。雄しべは10個、長さ約3mm、葯は円形、裂開前は灰褐色。仮雄しべは3〜5(稀に6〜8)裂し、裂片の先には腺体がない。雌しべは花時に葉雄しべよりやや短く、柱頭は3(稀に4)裂する。子房は卵球形。
果実(刮ハ)は長さ5〜6mm。種子は多数あり、楕円形で、長さ約1mm。
- 分布・生育地 :
本州(東北〜中部) (国外:日本固有) 高山の湿った草地や雪田跡
- 花期 : 8〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1996年9月7日 長野県白馬岳 中・全体2、以下全て 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
東北〜北アルプスにかけて点々と知られている。そんなにポピュラーな高山植物ではない。
雪の溶けた雪田跡の湿った場所に生えていることが多いので、雪解けの遅い場所では9月が花期になる。
白馬岳のこの生育地も、夏山シーズンには雪の下。9月になって雪がとけすっかり様子の変わった雪田跡で小さな花を咲かせていた。
ウメバチソウに似ているが、花は一回り以上小さく、仮雄しべは裂片の数が3〜5(稀に6〜8)個と少なく、先に黄色い腺体がないなどの違いがある。
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