キヨシソウ(瀞草)

Saxifraga bracteata


キヨシソウ1

  • 科名・属名 : ユキノシタ科 ユキノシタ属

  • 特徴 :
     草丈2〜20cmの多年草。
     茎は単一か数回分枝し、疎らに根出葉と同形の葉を互生する。
     根出葉は腎円形で、径1〜4cm。基部は心形で、浅く5〜7裂し、裂片は広卵形、先は微凸形。葉柄は長さ1〜5cm、葉腋に楕円状の球芽(ムカゴ)ができる。根出葉は盛花期を過ぎる頃に枯れ、基部から走出枝が伸びる。
     花は各苞の脇に疎らに集散状につく。花軸には腺毛があり、葉と同形か扇形の苞がある。花弁は5個、倒卵形で白色、長さ約5mm、基部には爪がある。萼裂片は広卵形、長さ約3mm、腺毛があり、斜上する。萼筒は大きく鐘形。雄しべは10個、長さ約3mm、裂開前の約は淡黄色。子房は中位。花柱は短い。
     果実(刮ハ)は長さ約8mm、花後発達して広倒卵形になる。種子は狭卵形、長さ約1.5mm、一方の側に1稜がある。

  • 分布・生育地 :
     北海道(根室付近) (国外:千島列島、カムチャッカ半島、サハリン、ベーリング海沿岸、アラスカ)
     海岸の湿った岩壁

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1990年6月23日  北海道根室市
     中・全体2 1992年7月5日    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花、右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     北海道根室地方から千島、樺太にかけて、生育しているこの花を探しに根室まで出かけた。
     この地方の海岸は、海から急に岩壁がそそり立っていて、この花が生育している岩壁に近づくことができない。
     やっと回り込んで岩壁を探すと、岩間にこの花を見つけた。花期が遅いため残花であるが、波にさらわれないよう、しっかり岩の間にしがみついていた。
     近くには、これも道東特産のトモシリソウが咲いていた。

  • 葉

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キヨシソウ2

花