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- 科名・属名 : ユキノシタ科 チャルメルソウ属
- 特徴 :
草丈20〜30cmの多年草。
根茎は横に這う。
根出葉は互生、葉身は長楕円状卵形〜卵形で3〜4浅裂し、長さ3〜9cm、幅2〜7cm。先は鋭形〜鋭尖形、基部は心形、縁には欠刻状の鋭い鋸歯がある。両面に白色の毛と腺毛があり、時に裏面はやや紅紫色を帯びる。葉柄は長さ5〜16cm、開出する長毛と短い腺毛がある。托葉は左右に分かれ、縁には短腺毛がある。
花茎は短い腺毛があり、中〜下部に小型の葉をつける。
花は総状花序に多数つく。花柄は長さ1〜4mm、微細な腺毛がある。花弁は紅紫色で羽状に細かく7裂し、長さ3.5〜4.5mm、花時に平開する。萼筒は浅い倒円錐形で先端は鋭尖形、裂片は長さ約0.8mm、花時に平開する。裂開前の葯は淡黄色。花柱は短く、先端は外曲する。
果実(刮ハ)は花柱間の縫合線に沿って裂開する。種子は長楕円形、長さ約1.1mm、種皮に縦に微小な隆状がある。
- 分布・生育地 :
四国(徳島、高知県)、九州(熊本、宮崎県) (国外:日本固有) 深山の湿った岩上、岩壁
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2009年4月25日 徳島県麻植郡 中・全体2、以下全て 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
シコクチャルメルソウは撮影していたが、この花は2ヶ所ほど探したものの、見つけられずにいた。
春、四国を訪れる機会があり、この時期なら花を撮影できそうで、自生地を訪問予定に組み込んだ。
生憎小雨交じりの天候だったが、沢沿いの道を進むと、チャルメルソウの群落が出てきた。葉の形からするとこの花に間違いなさそうだ。ルーペで覗くと、雪の結晶のような特徴ある花が視野一杯に広がった。
この仲間は草丈に比べ花が小さく、全体を写してもよく似た種類が多く区別が難しい。面白さは花の形にあるので、必ず接写することが肝心だ。その花弁の分れ方や萼裂片の開き方などでどの種かを同定することができる。
以前は四国だけに分布とされていたが、改訂新版「日本の野生植物2」では九州(熊本、宮崎県)にも分布しているとされているが、九州のものは別種と考えられるという記述がある。
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