ヤワタソウ(八幡草)

Peltoboykinia tellimoides


ヤワタソウ


  • 科名・属名 : ユキノシタ科 ヤワタソウ属

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの多年草。
     根出葉は1〜2個、葉身は円形〜楕円形、径20〜30cm。7〜13浅裂し、裂片は卵状三角形、基部は深い心形、縁には低い鋸歯がある。表面は光沢があり、腺毛を散生する。葉柄は長さ15〜30cm。茎葉は数個互生し、根出葉とほぼ同形ではるかに小さく、葉柄は短い。
     花は茎頂に集散花序につき、淡黄色で径約1cm。花弁は5個、倒卵形〜楕円形で、花時に斜開し、長さ8〜11mm、上端には少数の鋭鋸歯があり、基部はくさび形、短い腺毛を密生する。萼筒は浅い鐘形、径5〜8mm、下半分は子房と合着し、萼裂片は直立し、三角形で鋭頭、長さ約5mm。雄しべは10個、長さ約3.5mm。葯は淡黄色で、裂開後は黒色になる。
     果実(刮ハ)は卵形、長さ13〜16mm。種子は楕円形、長さ約0.8mm、種皮に乳頭状突起がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(中部以北) (国外:日本固有)
     山地の谷沿いの陰湿地

  • 花期 :  5〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年7月3日  東京都三頭山
     中上・全体2、以下右下を除き    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     右下・根出葉2 2024年5月23日    同  上

  • 撮影記 :
     四国、九州に分布しているワタナベソウに花はよく似ているが、葉が非常に大きく、また掌状に7〜13浅裂(ワタナベソウは7〜9中〜深裂)し、裂片も卵状三角形(同 狭倒卵形〜披針形)であることが異なる。
     この写真を撮った東京都の三頭山は、以前は奥深い山であったが、道路が整備されすっかり入りやすくなった。
     ただ、「都民の森」として整備・保護されているが、花は年々少なくなってきている気がする。
     そんな森の沢沿いの湿った斜面に、この花が点々と生えていた。

  • 根出葉1

    根出葉2

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ヤワタソウ2

花序

花