オモトソウ(於茂登草)

Sciaphila sugimotoi


オモトソウ1


  • 科名・属名 : ホンゴウソウ科 ホンゴウソウ属
     注.APG分類では、これまで分かれていたウエマツソウ属(Sciaphila)とホンゴウソウ属(Andruris)が統一され、新たにホンゴウソウ属(Sciaphila)とされた

  • 特徴 :
     草丈5〜7(〜10)cmの多年草。菌従属栄養植物。
     地上茎は直立してよく分枝し、全体にピンクががった紫色〜赤紫色。
     葉は鱗片状で、長さ1.5mm。
     花は茎の上部に5〜7cmの花序となり、10〜35個つく。雄花の花被片は6個、全ての裂片の先端に球状の突起がある。雄しべは3個、花糸は基部で合着し、葯の高さを越えない。雌花の花被片は6裂、心皮は多数で離生し、球状に集まる。雌花の花柱は先細で平滑。

  • 分布・生育地 :
     沖縄(石垣・西表島) (国外:日本固有?)
    山地林下

  • 花期 :  (6〜)9〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2022年7月10日  沖縄県石垣島
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     やや湿った林下、落ち葉の積もった地表を目を凝らして探す。
     明るい赤紫色でやや大き目のナンゴクタカクマソウ(仮称)は見つかるが、この花らしきものは全く見当たらない。
     しばらく探すとやっと何株か見つかったが、ちょっと目を離すと分からなくなるくらい小さな花だった。
     そのうえ、過去に出会ったことのある花仲間が、「これまで見た中では一番」というほど素晴らしい状態の花で大喜びした。
     ホンゴウソウによく似ているが、雄花の6個の花被片の先端の全てに球状の突起があること(ホンゴウソウでは3個)、雄花の花糸の高さが葯を超えない(ホンゴウソウでは越える)との違いがあることから、2017年新種として発表された。
     当初、石垣島だけに知られていたが、その後西表島でも見つかったとの発表があった。
     菌従属栄養植物で緑色の葉がなく、花が終わると消えてしまうことや、植物体が小さく見つけ難いこと、個体数も少ないことなどで、これらの仲間の研究が進んでいなかったこともあるが、近年この仲間の新種がいくつも発見されていて非常に興味深い。

  • 同じ科の仲間の花
オモトソウ2

花序

雄花

雌花