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- 科名・属名 : ホンゴウソウ科 ウエマツソウ属
注.APG分類では、これまで分かれていたウエマツソウ属(Sciaphila)とホンゴウソウ属(Andruris)が統一され、新たにホンゴウソウ属(Sciaphila)とされた
- 特徴 :
草丈7〜18cmの多年草。菌従属栄養植物。
地下部は白色を帯び、地上部は全体に赤紫を帯びる。根は放射状に横に広がり、細かい側根を多数つける。
茎はほとんど単純で、時に基部で分枝する。
葉は鱗片状で広卵形〜ほぼ卵形、長さ2〜4mm。
雌雄同株で、花序は長さ1.5〜8(〜10)cmの総状花序となり、5〜15花をつける。上部に雄花、下部に雌花をつける。苞は広卵形で1.5〜2.5mm、花柄は2〜6mm。
雄花は径6.7〜9mm、花被片は(5〜)6(〜7)裂し、裂片は細い線形で尖って開出し、長さ2.9〜4.2mm、幅0.4〜0.6mm、基部で合着する。雄しべは3個、長さ約0.6mm。雌花は径7〜9mm、6〜9裂し、裂片は長さ2.8〜4.2mm、幅0.6〜1.2mm、基部で合着する。雌しべは30個以上あり、長楕円形で長さ約0.8mm、花柱は長さ(1.1〜)1.2〜1.6mm。心皮が多数集まった集合果を作り、赤紫色〜暗紫色で径3〜5mmとなる。
- 分布・生育地 :
沖縄 (国外:台湾) 山地の林床
- 花期 : 3〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2019年4月3日 沖縄県国頭郡 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
沖縄に春に咲くウエマツソウがあると聞いていたが、それがウエマツソウではなく台湾にある種と同じもので、和名を「タナカソウ」とつけられていると知った。
そういう話を聞くとすぐに見たくなるのが悪い癖、沖縄の花仲間に連絡を取り早速出かけることにした。
沖縄県北部、ヤンバルの森につけられたマングース巡回路を行くと、林縁や林床にウエマツソウそっくりのこの花が咲いていた。
ウエマツソウとの違いは、全体に草丈が大きいこと、花がやや疎らにつく、雌花の花柱が大きいなどのようであるが、その通りの花が見つかった。
さらに探すと15cmを越えるような大きな株が見つかった。沖縄の花仲間もこれまで見た中では最も立派な株とのことで、嬉しい花見になった。
和名のタナカソウはこの花を見つけた田中長兵衛氏に由来しているとのことだ。
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