ダンチク(暖竹)

Arundo donax


ダンチク1

  • 科名・属名 : イネ科 ダンチク属

  • 特徴 :
     草丈2〜4mの常緑の多年草。
     根茎は地を長く這い、大きな群落を作る。
     茎は径2〜4cm、節が多く竹に似るが、折れやすい。
     葉は互生、葉身は線形、長さ50〜70cm、幅2〜5cm。先は長く、糸状に尖って垂れ、葉舌には毛の列がある。粉緑色で質は厚い。
     花は長さ30〜70cmの円錐花序となり、淡色、時に赤紫色を帯び、光沢のある小穂を多数つける。
     小穂は長さ8〜12mm、小花は3〜5個。包類はもろい膜質、護頴もほぼ同質、長さ8mm以上あり、芒が先端の裂片の間から伸びる

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方以西)〜沖縄、小笠原諸島 (国外:中国(南部)、台湾、インド〜地中海沿岸)
     海岸や川岸

  • 花期 :   8〜11月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2020年2月22日  長崎県福江島
     中上・全体2 2003年12月6日  鹿児島県南さつま市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2020年2月21日  長崎県福江島
     左下・小穂、右下・葉鞘    同  上

  • 撮影記 :
     晩秋の頃、九州の海岸線を歩くと、ヨシによく似ていて身の丈の倍以上もあるこの植物が目に付く。
     暖かい地方に生え、竹によく似ていることからダンチク(暖竹)の名前が付けられていて、北は関東地方の海岸にまで見られる。
     この葉は飼料とされるほか、九州では5月の節句の団子を包むのに使われるとのことだ。
     園芸的に栽培される白斑入りのフイリダンチク(セイヨウダンチク)は、ヨーロッパから観賞用として明治時代に持ち込まれたとのことだ。
     写真はいずれも花期をやや過ぎているが、遅くまで枯れた花序が残り、何とか絵になるカットが撮影できた。

  • 葉鞘

    同じ科の仲間の花
ダンチク2

花序

小穂