タチスズメノヒエ(立雀の稗)

Paspalum urvillei


タチスズメノヒエ1

  • 科名・属名 : イネ科 スズメノヒエ属

  • 特徴 :
     草丈70〜150cmの多年草。帰化。
     大きな株を作り、稈を出す。
     葉は線形、長さ10〜40cm、幅0.5〜1.5cm、縁はざらつく。両面とも無毛か、時に裏面のみ疎らに毛がある。基部の葉鞘はしばしば赤紫色を帯び、開出毛があり、上部の葉鞘は口部を除き無毛。葉舌は高さ2〜4mm。
     花序は10〜20個の総を直立〜斜上する。総は長さ4〜10cm、総の基部には白色の長毛があり、軸の片側に2〜3列に並んで小穂をつける。
     小穂は卵形で短い柄があり、長さ2〜2.7mm。第1包類はなく、第2包類は小穂と同長、縁には白色の長毛が密生する。柱頭は黒紫色、葯は淡黄色。

  • 分布・生育地 :
     帰化(南アメリカ原産)(本州(関東地方以西)〜沖縄に帰化) (国外:世界の熱帯〜温帯域に広く帰化)
     道端、荒地、畑

  • 花期 :   6〜11月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2015年10月9日  沖縄県名護市
     中上・全体2 2020年6月14日  沖縄県国頭郡
     中中・全体3 2019年7月12日  宮崎県児湯郡
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・総    同  上
     左下・総基部 2020年6月14日  沖縄県国頭郡
     右下・葉 2015年10月9日  沖縄県名護市

  • 撮影記 :
     日本のスズメノヒエ属はその多くが帰化で、長く横に這う根茎があるかないか、小穂の縁の長毛の有無などで見分けるが、同定はなかなか難しい。
     本種は根茎が短くて稈が叢生し、小穂の縁に白色の長毛があるというという特徴があり、同じような特徴を持つシマスズメノヒエとは、花序につく総の数が10〜20個と多い(シマは3〜7個)のが違いである。
     関東地方から南の地域に帰化しているが、関東辺りではシマスズメノヒエが多いものの、南にいくほどこの種が多くなる。
     いろいろな所に生えるが、陸地だけでなく湿地などでも見かけることが多い。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
タチスズメノヒエ2

タチスズメノヒエ3

総

総基部の毛