ツルヨシ(蔓葦)

Phragmites japonica


ツルヨシ1(群落)

  • 科名・属名 : イネ科 ヨシ属

  • 特徴 :
     草丈0.8〜2mの多年草。
     地表を這い、緑葉のある長い匍匐枝を出し、節には白い開出毛がある。
     匍匐枝は時に3〜5mも伸び、節から根を出し、新しい株を作って増える。
     葉は線形、長さ20〜30cm、幅2〜3cm。質は硬く、灰緑色。葉身の基部は葉耳にならず、葉鞘の上部は赤紫色を帯びることが多い。
     花は長さ20〜30cmの円錐花序となり、多数の小穂を疎らにつける。花序の分岐点には白色の長毛が生える。小穂は長さ8〜12mm、3〜4小花からなり、第1小花は雄性で基部は無毛、上部の小花は両性で基部に長毛が生える。包類はそのすぐ上の護頴の1/2以上の長さがある(ヨシは半分以下の長さ)。

  • 分布・生育地 :
     本州〜沖縄 (国外:朝鮮、中国、ウスリー)
     川岸や湖岸の砂地、礫地

  • 花期 :   8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年10月5日  東京都八王子市
     中上・全体2 2020年10月24日  東京都日野市
     中中・全体3 2020年9月22日  東京都稲城市
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序    同  上
     左下・小穂 2019年9月21日  長野県木曽郡
     右上・葉鞘 2020年9月22日  東京都稲城市
     右中・匍匐枝 2020年9月15日  東京都日野市
     右下・節の毛    同  上

  • 撮影記 :
     全体の姿はヨシ(アシ)に似ているが、地表に長い匍匐枝を伸ばし、その節に白毛があることで区別できる。
     花のない時期でも、左中の写真のように長い匍匐枝があるのでよくわかり、この匍匐枝が不安定な河原の石などに縛りつくので、流れの早い場所でも定着し、大きな群落を作る。  写真は多摩川やその支流で撮影したものであるが、中・上流部では本種が、下流部ではヨシがよく見られる。

  • 葉鞘

    匍匐枝

    節の毛

    同じ科の仲間の花
ツルヨシ2

ツルヨシ3

花序

小穂