エナシヒゴクサ(柄無肥後草)

Carex aphanolepis


エナシヒゴクサ

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(ヒメシラスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの多年草。
     細長い匐枝を出し、疎らに叢生する。
     葉は線形で幅2〜4mm、粉白色を帯びない。
     雄小穂は線形で長さ1.5〜3cm、雌小穂は1〜3個、球形〜長楕円形で長さ7〜12mm、幅6〜7mm。雄小穂も雌小穂も柄は極めて短く、直立する。
     果胞は開出して著しく膨らみ、楕円形でやや厚く、多少海綿状で光沢があり、上部は短い嘴状になり、長さ3〜3.5mm。花柱は早く落ちやすく、柱頭は3岐。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮)
     低山地の林内、湿地

  • 花(果)期 :  4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2018年5月2日  埼玉県さいたま市
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中上・雄雌小穂、中中・雌小穂    同  上
     中下・雌鱗片、果胞 2018年6月5日  神奈川県箱根
     左下・果胞    同  上

  • 撮影記 :
     低山地の林内、湿地に生える普通種で、ヒゴクサによく似ているが、側生する小穂に柄がないことからこの和名がつけられている。
     ヒゴクサに比べると柱頭は長く伸びず、花後は早めに脱落するが、花時はそれなりに雌小穂を包み可愛らしい。
     埼玉県の河川敷、図鑑には樹林下や草地とあるが、ここでは河川高水敷の湿った草地に群生していた。
     ただ、面白いことに草地の各所に点在しているスゲが多いのに対し、このスゲはある一角には多数生育していたものの、そこ以外ではほとんど見られなかった。

  • 同じ科の仲間の花
雄・雌小穂

雌小穂

雌鱗片

果胞