ヒメマツカサススキ(姫松毬薄)

Scirpus karuizawensis


ヒメマツカサススキ1

  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 ホタルイ属
     注.APG分類では、学名(Scirpus)はアブラガヤ属

  • 特徴 :
     草丈1〜1.5mの多年草。
     茎は直立し、硬くて円い。
     葉は根生および茎につき、線形で扁平、幅4〜8mm。茎葉の葉鞘は筒状で茎を包む。
     頂生の分花序は複散房状で多数の球状花序からなり、側生の分花序は5〜10個の球状花序からなる。球状花序は径1〜1.5cm、総苞片は葉状で3〜5個。
     小穂は楕円形、長さ4〜6mm。鱗片は淡褐色、長さ約3mm、幅1〜1.3mm。刺針状花被片は5〜6本、糸状で屈曲し、果実よりやや長い。
     果実は狭倒三角形、扁三稜形で長さ約1mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(長野、山梨県) (国外:朝鮮、中国)
     山地の湿地

  • 果(花)期 :   8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2016年9月2日  長野県北佐久郡
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     種名(karuizawensis)とあるように長野県の軽井沢で見つけられ、日本では長野、山梨県の山地の湿地に稀に見られると図鑑には記されている。
     古い植物誌を見ると、軽井沢の各地に点々と見られたようだが、避暑地として急速に開発され、現在では生育地もごく限られている。
     コマツカサススキに似ているが、側生の分花序が5〜10個こ球状花序からなる(コマツカサは1〜2個)ことや、頂生の分花序が複散房状で多数の球状花序からなる(コマツカサは散房状で3〜6個)ことが相違点となっている。
     春に自生地を訪れ、満を持して観光客が減り始める9月初めに訪れた。
     湿地にはカヤツリグサ科の秋の花が色々と見られたが、肝心のこの花はまだ咲き初めでちょっと絵にならない。
     あきらめきれず周辺を探すと、大分離れた場所で群生しているのを見つけ、心残りの無いよう一杯撮影した。

  • 葉・葉鞘

    同じ科の仲間の花
ヒメマツカサススキ2

花序

小穂