ヒメシラスゲ(姫白菅)

Carex mollicula


ヒメシラスゲ1


  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(ヒメシラスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈15〜30cmの多年草。
     根茎は細く、匍匐して疎らに生える。
     葉は柔らかく、鮮緑色で幅4〜8mm。基部の鞘は淡色で糸網はない。
     有花茎には鋭い3稜がある。
     頂小穂は雄性、淡緑色で線形、長さ1.5〜3cm。側小穂は2〜5個、雌性でほとんど柄がなく茎の上部に固まってつき、直立し、短い円柱形、長さ1.5〜3cm、幅4〜5mm。下方の苞は葉状で斜開する。
     雌鱗片は狭卵形で長く尖り、淡緑色で果胞より短い。
     果胞は熟すと開出し、狭卵形、長さ3〜4mm、淡緑色で数個の脈があり、無毛。柱頭は3岐。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:南千島、朝鮮)
     山地の湿地や渓流の縁

  • 果(花)期 :  5〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2016年6月8日  徳島県三好郡
     中1・全体2 2017年6月24日  福島県西白河郡
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・雄雌小穂    同  上
     中3・雌小穂 2016年6月8日  徳島県徳島県三好郡
     中4・雌鱗片,果胞 2023年6月24日  長野県小県郡
     左下・果胞,果実、右下・基部の鞘    同  上

  • 撮影記 :
     このスゲには何度か出会ったが、いずれも比較的深山の湿った林下での出会いだった。
     当初、オニスゲと見分けられなかったが、何度かチェックしているうちに小穂が直立、雄小穂の長さなどの違いに気づき何とかわかるようになった。
     スゲ類は同定が難しい種が多いが、できるだけ果胞や鱗片の観察し写真に収めて同定につなげたいと思っている。

  • 基部の鞘

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ヒメシラスゲ2

雄・雌小穂

雌小穂

(左)雌鱗片・(右)果胞

(左)果胞・(右)果実